何気なく図書館で手に取った薄っぺらな本、『笑う、避難所』。
指定避難所ではないために、行政の支援の網からもこぼれた136名の避難者を抱える「自主避難所・明友館」が、救援物資も届かないなか、かれらは自らがそれぞれの役割に目覚めて自主的に動き始める。
ルールはたった一つ「うんこをしたら水で流す」
そしてこの小規模な自主避難所は、ひとりのリーダーと呼ばれる男の交友関係によって、わずか数週間後には支援の行き届かない在宅避難者や児童施設に救援物資を届ける「支援する避難所」に変貌する。
行政システムが機能不全を起こし、ボランティアグループさえ十分な活動ができない状況をあざ笑うように、彼らは受け入れ拒否の避難所にさえ支援を行う「奇跡の避難所」となった。
社会福祉協議会や大規模なボランティアグループのリーダーたちが泣いて悔しがるような活動がここにはある。
支援とは何か?復興って何なのか?一つの答えがここにある気がする。