先日の勝俣先生のご講演を聞きながら、ニャンコも全く同じことをいつも講演で発言しているなあと思ったことが、

余命について。


勝俣先生から先日のご講演のスライドを頂き、感謝申し上げます。

早速ですが、その中でぜひ紹介したい2枚だけ、ここでニャンコ風に解説します。







このスライドはズバリ、医者がいう余命という数字が当たらないことを説明された時のものです。

分かりやすく書くと、

余命は、ギリギリの段階であれば、医者であれば大体が当てることができます。

具体的には、1-2ヶ月の状態。

3ヶ月ですと、ニャンコの経験的には、良くも悪くも余命は外れることも多いです。

3ヶ月と言ってて、半年以上も普通に生活されたり、

3ヶ月と言って、次の週に急変され亡くなられたり。


がんという病気が、完治出来ていない場合、がんにも個性がありその経過は皆さん異なる。
そして皆さんの免疫力、体力も違う。
受けている治療、治療の歴史も違う。

なにより今余命という数字を意識した瞬間に、相性のいい治療を受けているのか、全く治療方針がないのかでも、極端に言えば余命なんて倍以上違う。


普通のがん診療をしている医者であれば、この当たり前を知っている。

実際、勝俣先生がエビデンスとして紹介してくださった、余命に関する前向き試験も

生存期間4ヶ月の状態を、実際に国立がんセンターの医者が当てられた確率


前後1/3の範囲で当たりとした場合でも、わずかに36%しか当たってない。


医者が推測する4ヶ月よりも長くなったり短くもなる。


ましてや、余命半年、1年、2年、そんな長期間のことは、医者は預言者でないので当てることは不可能だ。当たったとしたら、経験値からたどり着いた、まぐれとも言える。

そのくらい、皆さん、きっちりとした医療を、緩和治療含めて受けておられて、メンタル的にもほっこりされていると、ニャンコの予想よりもはるかに、はちゃめちゃに良い経過の方も多く経験している。その裏で、予想外に短く旅立たれた人ももちろん経験している。








このスライドは、「生存期間中央値」についてご説明された時のスライド。


生存期間中央値とは、100人の患者さんが順番に他界されていったときの50人目は何年何ヶ月生存されていました、という数字。

今でも多くの医者が、がんと告知した際に患者さんやご家族に述べる数字はこれだろう。

ただ、これは余命でもなんでもない。

ぴったしカンカンであたる人は、100人中1人(極論ですが)ということで、48人はこれよりも早く、48人は(あれ、1人足りんな)これよりも長く生きたんです。


確率的には低くなってきますけど、それでも生存期間中央値の倍以上元気にご生存されてる人も統計的に何十パーセントといる場合もあります


医者が言った数字が生存期間中央値であれば、それは参考値の一部であって、ご自身の余命は全くわからないという事実をちゃんと理解された方がいいと思います。



生存期間中央値が6ヶ月の状態と言われ、1ヶ月以内で他界される場合も、3年ご生存される場合もあるのは、ひとえに、がん治療が皆さんにとって同じ効果をもたらさないからです。

がんという病気の進行速度がみな違うからです。

治療の効果も違って、進行速度も違う、そして、


例えば変な民間療法や、


極論、標準治療を最初からしっかりやればある程度の確率で生存期間中央値以上の予後が期待できたのにも関わらず、

エビデンスのないものを、民間療法を、最初にやってしまえば、

さらに生存期間中央値からかけ離れた経過となるのは、ご理解していただけますか?



本日も、電話でお二人から問い合わせありました。
(ブログDM閉じてますから、このように病院に直接問い合わせください、それば全然問題ないです。ソーシャル的にも医学的にもその方が本来の形ですから)


いろんな病状に遭遇しながら、みなさんいろんな考えを持たれることを、患者さんと接しながら勉強させられます。

いろんなこと考えてくれていいです。

今日も多分ちゃんと説明出来たと思いますが、

カテーテル治療は、そのタイミングが大切であって、

標準治療の良さを理解して、そしてカテーテルの良さもちゃんとわかって、

一番いいタイミングで治療介入させてもらいたいからこそ、

他の治療方針のほうがいいと思えばちゃんと説明してます。

多分、今日の方も電話の声の調子からは、にゃんこの言いたいことご理解していただけたかな?
まだニャンコの出番は後にとって置いて、まだニャンコが残ってると思っていただいたほうがいいな、実直性が大切だよ、と思いました。


ちゃんとした医療介入をされず、

騙されたり、

勘違いしたり、

しないための、セカンドオピニオンだと思ってます。




余命は、前半戦で結構大きく影響を受けます。

後半戦でも、緩和治療、カテーテル治療など適切な症例に適切な対応をすれば、余命は影響を受けます。



トータルマネージメントが余命に直結します。


局所治療は余命につながらないと多くの先生が言うのも、

一部の局所治療をしてる先生が、目の前に見える病気の縮小だけにとらわれ、患者さんの全体の人生を改善することを考えず、全身治療と局所治療の旨みを理解しうまく組み合わせることをご理解されていないことが問題だと思ってます。




最後に。



医者のいう余命は、生存期間中央値のことが多く、

その多くは全く当たらない。

特に、半年以上の数字は、当たらない可能性が高く、

余命によってご自身の残りの人生を棒に振らないようにご注意ください。




「吹田徳洲会病院 がんカテーテル治療センター」



最後まで読んで頂いてありがとうございました。よろしければ、↓ ポチッとお願いします。



にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


にほんブログ村 病気ブログ 末期がんへ
にほんブログ村


にほんブログ村 病気ブログへ
にほんブログ村