彼岸花ポートレートよもや話

2年がかりで準備した今回の彼岸花ポートレート。statement を勝手気ままに書いてみました。

彼岸花は中国大陸から稲作の伝来とともに、稲の苗に彼岸花の株が混入して伝わり、やがて日本全国に広まったそうです。

そんな中国伝来の彼岸花には、やはり中国を絡めてと、今回の企画を組み立てました。

ところで皆さんは「虞美人草」の謂れをご存知かと思いますが、ここであらためて解説。

今から2200年ほど前の中国。秦の後の覇権争いが繰り広げられていた時代。漢の劉邦に対抗する楚の項羽の妻が虞美人こと虞姫。

最後の決戦である垓下の戦いで敗れた項羽を追って自害した虞姫の墓に、まるで血に染めたような真っ赤なヒナゲシが咲いていたことから、虞美人草と呼ばれるようになったとのこと。

ヒナゲシと同じ、やはり真紅の彼岸花を虞美人草になぞらえての企画とした次第です。彼岸花にはとかくダークな花言葉があることも添えて。

漢服の羽織は彼岸花の柄、髪飾りも彼岸花をあしらった細工のものを付け、そして血に染まったかのような彼岸花を象徴すべく虞姫がしたように剣を首に当てて。

コンディションは、幸いして雨が降り出しそうで降らないどんよりとした空の下、無駄な影も入らずベストな天候。

ロケ地の彼岸花はまさに最盛期で、奥の竹林も暗がりの中でいい感じという、最高のシチュエーションに恵まれました。

モデルを務めていただいたKacoさんは、今まで30回以上撮影させていただきましたが、久しぶりの顔合わせとなりました。

剣の重さで手が疲れる中、撮影してはモニターの確認を何度も繰り返しポージングを補正していくという苦労をおかけしてのやっとのことでの仕上がりとなりました。思い描いた通りのカットとなり、本当に感謝です。また、衣装の着付やライティングに協力してくれた我家のサポートスタッフにも感謝です笑。

この他にもいくつもの小道具を駆使しながら撮影した成果の掲載が続きますので、どうかお楽しみに。

【敷島展】ご来場ありがとうございました

７人のカメラマンによるポートレート合同写真展【敷島展】無事終了しました。

ご来場いただきましたたくさんの皆さん、お忙しい中本当にありがとうございました。

お一人お一人にお声がけし、出来るだけ直接展示についてお話しさせていただくという方針の下、出展者一同心掛けてまいりましたが、他の方への接客中でお話出来ていない方がおられましたら、どうかお許しください。

それでは私の展示作品をご紹介します。

今回、ストーリー構成というよりも、四季を織り交ぜながら自分が気に入ったカットを並べることにいたしました。

全体の展示イメージはこのような感じです。

A3ノビの額装、全て自家製プリントです。（プリンター：Canon PIXUS Pro-10）

用紙はハーネミューレのファインアートパールを使用しました。

左上から順に。

１点目、モデルはKacoさんです。

満開の桜に包まれた、春の淡い情景を感じていただけましたでしょうか。

２点目、モデルは桐嶋しずくさんです。

整然と立ち並ぶ杉林、まさにこのような姿の森の精に出会えそうなロケ地でした。

３点目、モデルはこだまさんです。

まさに紫陽花尽くし。存在感バッチリです。

４点目、モデルは天使梨桜さんです。

強烈な太陽の光にも負けない強い視線。展示してますます気に入った作品です。

５点目、モデルは北川りなさんです。

季節をリセットする意味での黒の衣装。こんな雪の精がいてもいいのではないでしょうか。

６点目、モデルは水無月いとさんです。

田んぼの畦道に咲く彼岸花にこだわってロケ地を探した一枚。優しい視線がお気に入りです。

７点目、モデルはこだまさんです。

梅雨時の苔が美しい中で、真っすぐに見つめる視線。本当に魅力的です。

８点目、モデルは北川りなさんです。

昨年名古屋で開催したRinagraphのアナザーカット。静寂の中で笛の音が響き渡るような情景を感じていただければと。

９点目、モデルは桐嶋しずくさんです。

とても人気が高かった作品。心の中まで見通されるかのような視線が印象的です。

１０点目、モデルはKacoさんです。

寒さで赤く染まった指先が、冬の光に照らされる。撮影時から印象深かった情景です。

以上１０点、ご協力いただきましたモデルさん、撮影の支援をしていただきましたスタッフの方々に感謝を込めて、展示のご報告とさせていただきます。ありがとうございました。

今年一年を振り返って

相当久しぶりのSNS更新となりました。

懇意にしているカメラマンさんの中には、８月以降音沙汰がないのでわざわざDMをいただいた方もいらっしゃり、ご心配をおかけしました。

２０年に一度の大規模システム更新プロジェクトのProjectManagerを拝命し、通算４年がかりで進めてきた仕事が来月から本番化するため、仕事漬けの日々が続いておりました。なんと７月から５ヶ月間カメラも触っていません。

そんな中、年末のほんのひと時ゆとりが出来たので、今年一年を振り返り、来年の予定を記したいと思います。

今年の撮影は４人のモデルさんでした。ポートレートを撮影していて一番撮影回数が少ない年でした。

４月にKaoさん。久しぶりにカワコレの参加で２回目の撮影でした。

撮影中に小動物によるちょっとしたトラブルがあり二人で慌てましたが、何とか楽しく撮影する時間が持てました。

仕事漬けの中、４ヶ月ぶりの撮影でした。

５月に入り、地元の日光で桐嶋しずくさんを撮影。ロケ地は近所のツツジの群落地でした。

加えて、探し回ってイメージ通りの場所をようやく見つけた杉林での撮影。Profoto B1xが活躍してくれました。

５月にはさらに、名古屋での写真展「Rinagraph」に向けて、北川りなさんとの撮影。

日光での企画です。ロケ地はこれまた自宅の近所だったこともあり、何度もロケハンを重ねて臨みました。

メインの撮影の後は、これまた近所の公園での撮影。地元での撮影は勝手がわかりとても都合がいいです。

６月はそのRinagraph。

１６人のカメラマンによる様々な りなさんの姿を名古屋の一等地で展示。

モデルさんとカメラマンの総力結集を感じた、すごく充実した会期でした。

７月には京都で、こだまさんとの撮影。浴衣と帯、日傘の柄も含めて紫陽花尽くしの撮影でした。

この時の作品は来年の合同写真展「敷島展」に展示させていただきますので、どうかお楽しみに。

今年は撮影回数は少なかったけれど、どれもとても充実した濃いロケでした。

ご協力いただきましたモデルの皆さん、ありがとうございました。

さて、来年は２月２１日～２４日に７人のカメラマンで構成する「敷島展」を東京 銀座のギャラリー アートスペースにて開催します。

是非皆さんのお越しをお待ちしています。

それでは皆さん、良いお年を。