Canadian Pocky

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日々の記録


アメリカ出張に行った時の飛行機で隣席の男性(60歳)が

しきりと話しかけてきました。私は疲れていて寝たかったし

あまりそういう会話に関心がないので、あからさまに

興味なさそうに「ああ、そうですか」「そうですね」しか

言わず、目を瞑っていたのですが、それでも話しかけて

くるのです。

 

彼の話をまとめると、

・コロナ前は仕事でヨーロッパにしょっちゅう行っていた

ので、エールフランスのゴールド会員だった

・ヨーロッパには慣れていて詳しい

・フランスに数か月間長期滞在したこともある

・フランスワインが好きだ

・国際線には200回くらい搭乗している

 

多分私に「すごいですね!」「格好いい!」「素敵!」と

言ってほしかったのでしょう。私が何の興味も示さなかった

ところ、最後には言うに事欠いて突然「アフリカに行った

ことはありますか?」と聞いてきました。全く何の脈絡も

なく。私が「モロッコしか行ったことないです」と

言ったら、その後何のフォローも展開もありませんでした。

多分アフリカ渡航自慢をしたかったのだと思います。

 

一般論かつ推測で恐縮ですが、こういうことって多分

私が男性だったらあまりないと思うのです。このおじさんも

隣席が海外出張に行く男性ビジネスマンだったら、こんな

自慢話はしないのではないか。

 

たまたまなのか運命的なのか、最近そういうマウント

おじさんに遭遇することが多いです。先日も、イギリスに

駐在歴があり、旅行好きで40か国行ったことがあり、

目黒区在住という3ポイントを自慢してくるおじさんに

絡まれました。

 

こちらが冷たくあしらっていると、エンドレスにマウント

ネタを繰り出してくるので、さっさと「すごいですね!」

と言ってあげれば大人しくなるのでしょうか。

この手のおじさん方、不快とまではいかなくても、対応が

面倒くさいし、褒められたいという承認欲求が強くて

ちょっとかわいそうな気がしてしまいます。

 

 

 

先週はアメリカ出張でオハイオ本社に行ってきました。

5泊7日と通常より長い出張で、内容もぎっちり詰まって

いたため、なんかすごく疲れ切ってしまいました。

事業部長とずっと一緒にいたのも疲労の原因かも。彼は

小さな地雷が点在しているので、急に感情的になったりして

気を遣うのです。今回も私の部下が借りたレンタカーが

ハイクラスすぎると指摘され、ひと悶着ありました。

なんのこっちゃです。でもたまたまヨーロッパから研修で

本社に来ていた営業仲間に出会えたりしたのは楽しかった。

出張というものは大抵そうですが、普通の生活よりも

濃い日々を過ごすので疲れるのでしょう。

 

ちょうどアメリカで皆既日食が観測される日でした。行きの

フライトは半分くらい日食ツアーの人々で埋め尽くされ、

それほど関心のなかった私はその熱意に驚かされました。

本社付近でも10秒ほど皆既日食が見られるというので

会議を20分ほど中断してみんなで駐車場で見物しました。

皆既日食というと世界が夜のように暗くなるのかと思って

いたけど(歴史書など見るとそのように書いてあるので)

実際にはそこまで暗くはなかったです。太陽の光は強力で

1割でも見えているとその輝きで十分明るいのです。

ぱっと見ても太陽が欠けていることに気付かないくらい。

でも体感的に気温は確実に下がります。日食付近の時間は

明らかに涼しくなりました。これも太陽の偉大さを思い

知る事象であったと思います。

今まで皆既日食って見たことなかったかもしれない。

関心がなかった私ですが、実際にその場で観測すると

かなり興味深く感慨深く、いいタイミングで出張があって

良かったです。

やはり携帯ではうまく写真は取れず、下は写真が趣味の

同僚がちゃんとしたカメラで撮ったもの。

 

Happy Easter!

今年もイースターがやってまいりました。私的には

クリスマスよりイースターの方が宗教的に重要だろと

いつも思っていますが、毎年日にちが違うというのが

イベントとして定着しにくいのかもしれません。

 

私はいつものように聖金曜日にバッハのマタイ受難曲を

聴きに行きました。去年は東京オラトリオの公演を観ましたが

今年はまたバッハコレギアムに戻りました。3回目にも

なると、歌手の顔も認識できるようになりました。

そして曲も結構記憶にあるので、演奏にも注目する余裕も

出来ました。やはりチェロの熱演が素晴らしい。

最初の頃はストーリーを追う方に気を取られていましたが、

今年はアリア、コーラスに注目しました。メロディーが

何といっても美しい。完成度が高いのです。本当にバッハの

信仰心というのか愛を感じますよね。キリストが人類の

罪を負って覚悟を持って死に臨む、諦めと受容、そこに

流れる神と人間への愛が緊迫感いっぱいに語られます。

クリスチャンでない私も胸がいっぱいになります。

キリストに対して胸がいっぱいなのか、バッハの美しい

音楽に胸がいっぱいなのか、自分でもよく分かりませんが、

非常に敬虔かつ謙虚な気持ちになり、それと同時に感謝の

気持ちで会場を後にしました。

 

そして翌日はまたしても『ジーザスクライストスーパー

スター』を鑑賞。これは年に1度見て感動する作品です。

私が毎年観ているのは2012年のアリーナ公演のもので、

ローレンスコナー演出版です。これが素晴らしいんですね。

現代的にアップデートされていて、キリスト教が

新興政治団体や新興宗教グループのように描かれている。

カリスマ性のあるリーダーであるイエスに夢中になる若者たち。

ポピュリズム的な方向性に疑問を抱くユダ。そしてイエス

自身も苦悩する。そんな設定になっています。

これはユダの苦しみに焦点が当たっていて、愛や憎悪、

夢と挫折について考えさせれます。

 

イースターだけは敬虔なクリスチャンの気持ちになる私です。

受難劇ではキリストが磔刑になるところまでしか表現

されないけど、ちゃんと3日目に復活したのも忘れないように

しないと。そこが肝心。