過去の記事で、機種ごとのスペック上のポイントを紹介してきましたが…
時を経て新しく得た情報と、状況の変化により、おススメが変わってきました。
今回は、2012年5月時点のオススメを中心に、機種ごとに紹介していこうと思います。

※加筆した箇所以外に、現況と照らし合わせ、修正した箇所もあります。

雀夢A型(MARK1~3)、雀豪MARK3

 かなり古く、またかなり重い機種ですが、ヤフオクなどで中古品が数多く流通しています。
 1箇所吸引ですので撹拌性能は悪いです(捨て牌が第1の牌山に固まります)。
 雀夢A型・B型・雀豪はゴム部品を数多く使っているので、3~5年で劣化し始めます。
 最も安い部品は300円ほどですが、大コンベアベルトは2~3万円と高価です。
 サイコロボックスはMARK1タイプの場合、親表示機能がありません。
 MARK1の一部は三麻ができません。また三麻は別途部品(部品自体は簡素な構造)が必要です。
 代理店でもヤフオクでもよく見かけますし、センチュリーやアモスより安いです。
 ただし、今はまだ一部の雀荘で稼動していますが、近い将来一線から退くでしょう。
 オーバーホール(50以上の部品交換)済みなら購入も悪くありませんが、そうでないなら要注意です。

雀豪DOME・DOME2

 ↑の雀夢A型・雀豪MARK3の後継機種で、同様に重いです。
 雀夢A型・雀豪MARK3と基本的な構造は同じで、ゴム部品を数多く使っています。
 DOMEは前期型と後期型があり、サイコロボックス及びターンテーブルを駆動させるベルトの方式が異なります。
 雀夢A型・雀豪MARK3と違い、三麻はスイッチ操作だけで設定できます。
 雀夢A型・雀豪MARK3より2万円ほど高いことが多いです。
 雀夢A型・雀豪は扱える代理店が多いため、サポート体制はまだ心配ないでしょう。
 オーバーホール(50以上の部品交換)済みなら購入も悪くありませんが、そうでないなら要注意です。

雀夢B型・雀酔・コスモ

 かなり古い機種です。雀夢はA型・B型・C型とありますが、どれもメーカー・構造は異なります。
 2箇所吸引ですので撹拌性能は良くも悪くもありません。雀夢A型ほど重くありません。
 ゴム部品を数多く使っており、またターンテーブルの状態が使用する上で重要です。
 ターンテーブルが劣化していると、牌がベルトへうまく運ばれず、セット時間が長くなります。
 ベルトは数千円、ターンテーブルは3万円以上と高価ですので、オーバーホールは高額となります。
 流通量は少なくありませんが、雀夢A型・雀豪ほどサポート体制は万全でありません。
 オーバーホール済みなら悪いと言い切れませんが、近い将来修理不可能になる可能性が高いです。

雀夢C型・ウィンダム・Aじゃん

 かなり古い機種です。類似の機種として他に雀豪スリム・KATUじゃんがあります。やや軽いです。
 4箇所吸引ですので撹拌性能は良いですが、時折、内部で牌が跳ねたり詰まったりすることがあります。
 ゴム部品はあまり使われていませんが、プラ部品(特にギア)が破損することがあります。
 雀夢C型はサイコロボックスがなく(枠にデジタルサイコロ)、また雀夢CN型は親表示機能もありません。
 雀夢C型の初期機種(見た目は雀夢CN型と酷似)は三麻ができません。
 製造元のかきぬまを中心にサポート体制はまだありますが、万全とまでは言えません。
 かなり安く買えますが、デジタルサイコロやギアの状態を確認してから購入を検討しましょう。

雀友(飛鳥・大和・雀秀・α)

 全自動麻雀卓の普及期から現在まで、ほとんど構造が変わっていない機種です。
 元々セット時の音は静かな方の雀友ですが、飛鳥・大和はさらに静かだと言われています(未検証)。
 45kg~と重くも軽くもありませんが、1箇所吸引ですので撹拌が悪く、またセット時間も比較的長いです。
 ゴム部品は雀夢A型・雀豪ほどでありませんが使われています。
 流通量は少なくありませんが、扱える代理店が地域的に偏っていると言われています。
 製造元が完全に全自動麻雀卓の製造から撤退したため、今後のサポート体制は不透明です。
 比較的安く買えますが、まず状態、次に近所に代理店があるか確認してから購入を検討しましょう。

アモスギャバン(マーテル)

 比較的新しく、また軽い機種です。家庭使用に向いています。マーテルはギャバンの廉価版です。
 1箇所吸引ですので撹拌が悪いですが、セット時の音は静かめで、セット時間も長くありません。
 ゴム部品はほとんど使われていませんが、その代わり、日頃のクリーニングが重要です。
 流通量は多く、扱える代理店も全国的に存在します。ただし、ギャバンの部品供給は終了しています。
 アモスを製造している大洋化学は製造の一部を中国へ委託しているため、その点の不安はあります。
 オーバーホール済みのギャバンはあまり安くありませんが、新品のマーテルより安いです。
 マーテル及び大洋化学製の牌は当たり外れがあると言われていますので、その点は要注意です。

アモスCUBE(HD)

 比較的新しい機種で、全自動配牌機能を搭載したCUBE-HDがアルティマの本体となります。
 ギャバンよりやや重いですが、他メーカーの機種と比較すれば軽い方です。
 4箇所吸引ですので撹拌性能はいいはずですが、HDの評判は芳しくありません(未検証)。
 ギャバンと同様にゴム部品は使われていません。セット時の音はギャバンより少しうるさいです。
 流通量は少ないですが、HDは点数表示枠を搭載したアルティマとして雀荘で数多く稼動しています。
 現在、アルティマは雀荘で最も人気が高い機種となっていますので、サポート体制は万全です。
 アモスの牌は新(CUBE)旧(ギャバン・マーテル)の2種類しかありませんので、まず間違えません。
 中国製部品を採用しているためか、それに由来する故障が多いという声も聞きます。


アモスMiniMini


 現時点の最新機種で、全自動麻雀卓で最小(56×56×75cm)・最軽量(30kg)となっています。

 4箇所吸引ですので攪拌性能は良いですが、サイコロボックスを元に戻す際手動となっています。

 アモスマーテル同様、本体と脚が外され、牌などが付属された形で梱包・運送され、購入者が組み立ます。

 牌が中国麻雀の仕様となっていますが(白に縁どりがあるなど)、縦26mmと大きさは標準程度です。

 138000円とかなり安い価格ですが、生産は中国で行われており、耐久性は未知数です。

 国内メーカー・代理店が販売していますので、まずサポート体制を確認した方がいいでしょう。


センチュリー(鳳凰・21・NEXT・MORE1・MORE2)

 基本的な構造は変わりませんが、サイコロボックスや対応牌が異なります(新型の方が牌が大きい)。
 総じて60kg以上と重いですが、4箇所吸引ですので撹拌性能は良いです。
 アモスと同様にセンチュリーはゴム部品がほとんど使われておらず、消耗部品が少ないです。
 流通量は少なくありませんが、鳳凰~MORE1は部品供給が終了しています。MORE2(パル)の部品供給は平成30年12月終了予定です。
 牌は機種ごとに専用牌がありますが、別の機種の牌を使えるようにするなどの改造も多いです。
 センチュリーを扱える代理店は全国的に存在しますが、鳳凰と21は対応できないところも多いです。
 また消耗部品が少ないため、ヤフオクの場合まずオーバーホールされてません。
 部品供給が終了しているか終了間近ですので、購入するとして代理店をオススメします。

センチュリーBG(フェニックス)

 比較的新しい機種で、鳳凰~MORE2と基本的な構造は変わりませんが、対応牌が異なります。
 重さや撹拌性能、静かさは鳳凰~MORE1とほとんど変わりません。
 センチュリーは牌の種類が多く、また中古は改造されていることもあるので、要注意です。
 正規代理店以外で購入した中古は、改造の恐れがあるなどで、メーカーの修理は受けられません。
 中古は、大多数が代理店で販売されていますが、たまにヤフオクで見かけます。
 しかし、代理店でもヤフオクでも20万円以上であることが多いので、代理店購入をオススメします。
 アモスCUBEとセンチュリーMORE2(パル)以降は部品供給が継続しているので将来も安心です。

センチュリーワールド

 「部品の一部の流通が困難」ということで販売中止となりました。


雀豪昇龍・雀友ドラゴン・龍鳳・MJ JAPAN


 比較的新しい機種で、サイコロボックスや枠に違いはありますが、基本的な構造は同じで、重いです(75kg)。

 アルティマの対抗機種ということで、自動配牌とドラ表示、さらに嶺山牌下ろしなどの機能が付いています。

 昇龍Neoより前の機種はシャッフル機能(内部の牌の攪拌を追加で行う)を搭載しておらず、また故障が多いと言われています。

 中古はほとんど見かけませんが、中古も決して安くありませんし、新品の代理店購入をオススメします。

 2011年にMJ JAPANが発売されたばかりですので、サポート体制は問題ないでしょう。


雀王・無双

 かなり古い機種です。重さはやや軽い方で、セット時の音も静かな方です。
 4箇所吸引ですので、撹拌性能は良いです。また、サイコロボックス・親表示機能も標準装備です。
 雀王も無双も牌を卓上へ押し出すと同時に裏返す構造で、無双は自動配牌(12枚)となっています。
 かなり以前に製造・部品供給が終了しており、対応できる代理店もかなり少ないです。
 サポート体制がほぼ皆無ですので、牌や修理部品を確保することも困難です。
 本体はかなり安く買えますが、それならば価格が大して変わらない雀夢C型の方がオススメです。


中国製麻雀卓


 呼称はいくつかありますが、国内で流通している中国製麻雀卓のほとんどが同じ構造となっています。

 牌の縦が30mm以上と大きく、また中国麻雀の仕様となっていることが多いです。

 それに伴い、卓はかなり大きいですが、重量はそれほど重たくないことが多いです(46kgなど)。

 日本製と同様のサイコロボックスや親表示、また機種によって折り畳み機能などがあります。

 4箇所吸引ですので、撹拌性能は良いです。また、セット時間も短いです(30秒前後)。

 新品で8~20万円とかなり安く、価格的に対抗できる国産機種はありません(MiniMIniなども中国製)。

 ただし、MiniMiniやマーテルなどと違い、サポート体制が不透明であることも多いので、まずその点を確認してから購入を検討しましょう。