さて、40歳台の男性でコロナ後遺症で死ぬ思いをした患者さんの話の続きです。
意外なことでクラッシュすることが多く、日常生活ではどこに注意をしたらいいのか、全くわからない状態でした。
例えばネオンサインをみただけでクラッシュする、自転車の前輪を持ちあげたらクラッシュする、セミを捕ったらクラッシュする、こどもに高い高いをしたらクラッシュする、英語のTの発音を繰り返したらクラッシュする、バスケットボールでパスするように物を投げたらクラッシュする、自宅マンションの下の地面を眺めたらクラッシュする、洗面の動作でクラッシュする、話しすぎるとクラッシュする、食事の時に唇を噛んでしまった時にクラッシュする、画像をみすぎてクラッシュする、実に多彩な行動でクラッシュしております。
まだ取り上げていないことがきっかけになりクラッシュを引き起こしておりました。
クラッシュした場合には特有の身体的変化をきたしておりました。
局所的に筋肉が強張っていました。
こむら返りのような状態が起きていました。
こむら返りならばふくらはぎの筋肉が痙攣した状態なのですが、クラッシュした場合にはふくらはぎではなく、その動作に関連する筋肉が痙攣したような状態になっておりました。
自転車の前輪を持ちあげた時には二の腕の筋肉が固く強張っておりました。セミ捕りの場合には前腕部の筋肉が固く強張っていました。
話すぎてクラッシュした時には舌の近くの筋肉が強張っていました。
このように動作と関連する筋肉に異常が観察されました。
その異常とは筋肉が固く強張った状況が観察されました。
ある動作に関係する筋肉が固く強張るのです。
固く強張った筋肉を改善させる手段として効果的なのが綿花を利用した、まだらめ式間接灸です。
この患者さんは自分でもかなり上手にこのやり方でお灸ができるようになっておりました。
しかし、クラッシュする時には自分で対応できない新たな筋肉の異常が出てきましたので、その都度対応を覚えていただきました。
当初はクラッシュした場合改善するまでに時間がかかりました。
3週間から1ヶ月かかることもありました。
そもそも、一番ひどいクラッシュでは数ヶ月間動けないくなり、食事すら摂れない状態が1ヶ月くらい続いたのでした。
お灸のやり方を覚え、どこを刺激すればどうなるのかを理解できるようになるとクラッシュしても回復するのが早くなりました。
ありがたいことにクラッシュそのものをしなくなってきました。
当初は毎週1回の受診でしたが、徐々に受診の頻度を減らしてきております。最近は月に1回あるいは2ヶ月に1回となってきております。
やがて卒業の日が来ると考えております。