↑5回連続でポータブルアンプの話?
いえいえ、今日の主役は右側のgigabeatU407です。
gigabeatUというのは、東芝から発売されたメモリープレーヤーのシリーズです。
国内のDAPメーカー各社が、動画再生やワンセグ対応など、メディアプレーヤーとしての高機能化を
追求していく中、メモリープレーヤーの基本である高音質に特化したモデルで、2007年3月28日に
発売開始されました。
以下は、プレスリリースからの抜粋です。
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「DCTSC-ΔΣ 1ビットDAC」方式を採用したデジタルオーディオプロセッサを搭載、D/A変換時の信号
劣化を抑制するとともに、音声信号処理を高速に行うために原音に忠実な音楽再生を実現するという。
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このgigabeatUシリーズは2種類のデザインイメージと豊富なカラーバリエーションを持つ一方、
そのポップな外観にそぐわない音質の良さで、コアなポータブルオーディオファンの間で人気と
なりました。
しかしながら、一般消費者に対する訴求力が不足していたのか、この夏にディスコンになった模様で、
家電量販店からは次々と撤去されています。
近所の家電量販店で在庫処分価格で売られているgigabeatU407を発見し、即購入しました。
同じく高音質プレーヤーとして知られているKENWOODのHD60GD9ECと比較レビューして
みます。
(ソース:松永貴志「TODAY」/西村由紀江「Lumiere~地図のない季節~」、320kbps mp3、
使用ヘッドホン:MDR-CD900ST改造品)
○周波数特性(※イコライザーOFFでの聴覚判断):
HD60GD9EC ‥全体にフラットであるが、やや高音が持ち上がり気味(?)。ピアノや
弦の高域は伸びやか。
gigabeatU407‥フラット。派手さは無いが、高音は刺さらず耳触りが良い。
○解像度
HD60GD9EC ‥高い。ピアノ、ベース、ドラム等の各セクションの音がリアルに響き、
それぞれがきちんと分離して聴こえる。
gigabeatU407‥高い。全体的にGD9ECよりすっきり澄み渡った印象で分離はGD9EC
より良く、ピアノ速弾きの一音一音までもがはっきり聴き取れる。
生楽器のリアルさ、響きはGD9ECに一歩譲る印象。
○音場の広さ
HD60GD9EC ‥広い。左右に広がるだけではなく奥行きもある。
gigabeatU407‥左右には広いが奥行きは少なくやや平面的。
どちらが良い悪いというものではなく、それぞれ優れていて個性があります。
クラシック音楽を例にとって言うなら、GD9ECはフルオーケストラ向き、gigabeatU407は
室内楽向きという感じですね。あるいは、ライヴ音源を聴くならGD9EC、スタジオ音源を
モニター的に聴くならgigabeatU407とでもいうか。
そして、このgigabeatU407の魅力は、そのコンパクトさにもあると言えます。
冒頭で並べたiBassoT2とは縦横のサイズがほぼ同じで、束ねてもこんなに↓コンパクト。
それを、HD30GB9(何故か持ってます)、HD60GD9EC+iBassoP2と並べると、違いは歴然。
さらにgigabeatU+iBassoT2はたいへん相性がよく、フラットな特性のまま生楽器のリアルさが
向上します。コンパクトさから考えればちょっと考えられないような音です。
しかしながら、gigabeatU、iBassoT2はどちらもディスコンというのが悲しいところでもあります。
gigabeatUシリーズは東芝の意欲作でしたが、次機種の発表もなく、このまま東芝としてDAP事業
撤退ではと囁かれています。
そんな折り、東芝から240GB大容量の1.8inHDDが発表されました。
http://it.nikkei.co.jp/pc/news/index.aspx?n=NN001Y616+10092008
用途として「携帯音楽プレーヤー」と明記されています。
遠くない将来、東芝からこれが搭載されたHD60GD9の対抗製品が発表される事を願いつつ‥‥
それではこの辺で。