夏の雨はキラキラと  超短編 | クトゥルー神話外伝・君のポケットに届いた手紙・神酒のブログ♪

夏の雨はキラキラと  超短編

こんにちは!主人公の神酒です♪(何をいまさら・・・)


君のポケットに届いた手紙・神酒のブログ♪

























(使い道の無いイラストなので、ちょっと大きく・・・)

今日は、短編を1つ紹介したいと思います。

これは、ある小さなサイトに出品して2位をいただいたことがある作品です。

(まぁいろいろ協力してもらったんだけどさ。)


神酒が輝蘭と始めて出逢った時のことを思い出しながら語った記憶の物語。

短い作品ですので、感想をいただけるとうれしいです♪



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夏の雨はキラキラと


こんにちは、あたしの名前はミキ。高村神酒です。
籠目小学校で小学6年生やってます。ヨロシクね。
今放課後でちょっと友だち待っているトコなんだけど、友だち来るまで、あたしのお話に付き合ってくれる?
ちょっとした思い出話なんだけどさ。

あたしがまだ4年生の時、うちのクラスに一人の女の子が転校してきたんだ。
名前は瀬那輝蘭(セナ キララ)。ちょっと変わった名前でしょ?
長い黒髪の頭が良さそうな子で、先生に聞いてみたら、その子のお母さんも学校の先生をやってるんだってさ。
あたし彼女の顔見た時、すぐにピンって思ったんだ。
あの子の友だちになりたい!絶対に気が合うはず!必ず親友になれる!!ってね。

でも、キララはちょっと普通の子と違っていた。
あたしが話しかけると、キララはまるで聞こえないみたいに あたしの言葉を無視したんだ。
何度も話しかけたんだよ。
「キララさん。一緒に体育館行かない?」
「キララさん頭いいんだね!ここ教えてくれない?」
みたいな感じでさ。
でも、キララから言葉は返ってこない。たまに返ってきても、
「すみません。私のことはほおっておいてください・・・。」
そんな感じの言葉ばかり・・・・。
あたしだけじゃない。誰が話しかけても、結果は同じだった。
なんかちょっと変だと思ったあたしは、思い切って担任の先生に聞いてみたの。キララと仲良くなりたいけど、どうすればいいですか?って。
そしたらね。先生、意外なことをあたしに教えてくれたんだ。

キララ、前にいた学校をずっと休んでいたんだってさ。不登校ってやつ?
詳しいところまでは教えてくれなかったんだけど、どうしてもクラスになじめなくて、それで学校に行ってなかったんだってさ。
まぁ彼女、ずいぶん気が強そうな感じはするけどね。

結局あたしはキララと仲良くなることができないまま、それから数ヶ月が過ぎたんだ。

そして、そんなある日のことだったの。
あの出来事があったのは・・・・。

その日の学校帰り。あたしは変なものを見つけたんだ。
空き地の隅に、まるで隠れるように作られた木でできた小さなお家。
中には小さな子ネコが2匹。
多分誰かが飼いたくても飼えなくて、ここでこっそり育てている。そんな感じだったんだ。
中にはエサが少し置いてあって、お家の外には「誰か拾ってあげてください。」って張り紙がしてあった。

誰だろ?こんなことしてるの・・・・。
あたしはこっそり空き地の陰に隠れて、その飼い主がエサを持ってくるのを待っていたの。
飼い主はすぐにわかった。
キララだった。
キララは普段見せてくれないようなとびっきりの笑顔で、2匹の子ネコたちの面倒を見てたんだ。
2匹の子ネコたちと、まるで姉妹みたいにたわむれるキララ。
意外だよね。彼女がこんな笑顔見せてくれるのってさ。

でも、それからさらに数日後・・・・。
もうすぐ夏休みを迎えようとしていた、ある雨の日。
夏が間近にもかかわらず、なぜかその日の雨は少し冷たくて、見ているだけでなんとなく切なくなるような放課後だった。
まるで音楽を奏でるように流れる雨の音。重なるように聞こえるあたしのため息。
あたしがカサをさして空き地の側を通りかかると、そこにキララがいたんだ。
キラキラと優しく輝くような雨の中、カサもささないで、ずぶ濡れになって、じっとネコの家を見つめながら、黙って空き地の隅に立っていたの。
「なにしてるの?キララさん・・・・・」
原因はすぐにわかった。ネコの家に小さな手紙が落ちていたの。
『大事に育てます。』って走り書きがしてあって、2匹の子ネコはいなくなっていたんだよ。

びしょ濡れのキララ。彼女の頬を濡らしていたのは雨?涙?
もしあたしが「それ、涙?」って聞いたら、彼女は多分「雨です!」って応えるはず。
でも、キララは多分泣いていたんだ。あたしに見せてくれた、彼女の初めての涙。
どんなに強がっていても、やっぱりキララは寂しかったんだ。
やがて強くなる雨脚。もう子ネコたちには届かなくなったキララの声。
ふいに彼女は、あたしにこんなことを言ったんだ。
「・・・・飼い主が見つかりましたね。これで安心です・・・・。」

・・・・・・・・・・・・・バカ。キララのバカ!
そんなこと言ったら、あたしますますキララのこと、好きになっちゃうじゃない!!
あたし、そんなキララを見て、抱きしめたくて抱きしめたくてガマンができなかった。
だからあたしは・・・・・。



その時、誰かが教室にいたあたしの肩をポンってたたいた。
あたしが振り向くと、そこには・・・・・。
「ミキさん!こんなトコロにいたんですか!?」
そこに立っていたのは、ちょっと怒ったような顔をした・・・キララ!
「あ、キララ!遅かったね。ずっと待ってたんだから。」
「待たされたのはこっちです!待ち合わせ場所は教室じゃありませんよ!」
「え?違うの?」
「校門前って言ったでしょ!リコさんたちも、さっきからずっと待ってるんですよ!」
「ええー!?」

ゴメン!じゃ、あたしもう行くね。
あ、紹介しておくね。
彼女が、あたしの親友のキララだよ!
それじゃ、また明日ね。バイバイ♪

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