デリバリーの一連の動作の中でリリースは一番難しい。リリースはカーラーのセンスが問われる動作だと思う。
リリースの動作で一番重要なのはポジティブリリースをすること。(やり方は文章では伝えにくいので省略します。ごめんなさい。リンクで会ったら直接聞いてください。)
現在の日本のカーラーはリリースが甘い。そしてストーンの回転数が少ない。なぜなら、そもそもアイス自体がストレート傾向の為ポジティブリリースも回転数も必要無いからだ。でも世界は8フィートラインの指示でボトムまで余裕で曲がる。これに対応できるようにしなければ、世界では戦えない。
ポジティブリリースをして、なおかつドローで3回転、テイクで2回転ぐらいは回した方がいい。マニュアルにはドローで2回転半と書いてあるがそれでも少ない。確かテイクの回転数は明記してなかったと思う。日本ではノーマルウェイトのテイクで約1回転くらいだろう。トップウェイトのテイクは目標の石までの到達時間が早いからそれほど回転も必要ないけど、コントロール・ノーマルウェイトの場合は2回転は欲しい。
ポジティブリリースをして回転数を多くすると、ブレイクポイントが遅くなる。つまり曲がりだすのが遅くなる。これによって弧を描くようにきれいなカールをするのでブレイクポイントの予想ができ、ラインコールがし易くなる。特にドロー系ではカマーランドが決めやすくなる。回転があるとウェイトが無くなってきて止まる寸前にグイッと内側に切れ込むはずだ。回転数が少ないと早く切れ始めてしまいガードをクリアするのが難しくなってしまうし、クリアしても横滑り状態になってるから狙ったところに置く事ができなくなる。
しかしストーンの回転数が少ない日本のカーラーがドローで3回転回すのは容易なことではないと思う。やってみれば分かるが思いっきり回そうとしないと3回転も回らない。ラインがぶれないようにやろうとしたらなおさら難しい。これは練習して慣れも必要だか上手く回すコツをつかむ事が重要だと思う。
ポジティブリリースが出来ているかはリリースした直後に分かる。ストーンがすぐに切れていくなら出来ていない。とにかく石に直進性を与える事が重要だ。リリース直後から切れていく石をいくら掃いてもまっすぐに保つ効果は無い。投げ手がリリースを失敗すればそれを挽回するチャンスはスウィーパーには無いのだ。
でもやはりまずはポジティブリリースと回転数が必要になるアイスが無ければ作戦も技術も上達しない。アイスが与える影響というのはとてつもなく大きい。曲がらない日本のアイスが今の日本のカーラーの作戦、技術を作り上げてしまったのだ。このままではいくら練習しようとも世界に追いつくどころかさらに差が広がっていくだけだ。なぜなら日本は世界と違うことをしているのだから。
「間違った方法で練習しても、その方法で上手くなるだけであって、本当に上手くはならない。」
まずはアイスを世界標準にし、そのほかにも色々と世界と足並みを揃えてやっていかなければならない。