ひょっこりひょうたん島 | 外科医O3の日々

外科医O3の日々

臨床外科医の徒然の日々です

”ひょっこりひょうたん島”は私が物心つかない頃に放映されていた、
井上ひさし原作のNHKの人形劇です。
人気があるのか、その後も再放送が繰り返され、
登場人物のドンガバチョなどもふくめて国民的に有名ですね

そこに、みんな知っている特徴的な島が登場しますね!
ひょうたんの様な島の形に赤い灯台がある島です

この写真は、
そのひょっこりひょうたん島のモデルになったと言われている島で、
岩手県大槌町の大槌湾に浮かぶ蓬莱島です。
大槌町は東日本大震災で壊滅的な被害を受けた町です

この写真は、2013年の夏に訪れた時に撮影しました。

大震災の津波で灯台は破壊され、
ここに写っている灯台は、震災後に再建されたものです

蓬莱とは中国の神仙思想で説かれる想像上の仙境を意味するらしいです

そして、
大槌の隣は吉里吉里(キリキリと読みます)(共に大槌町)です。
ここも井上ひさしの小説”吉里吉里人”のモチーフで有名ですね。

小説”吉里吉里人”の説明はWikipediaには以下のように記されています

東北地方の一寒村が日本政府に愛想を尽かし、突如「吉里吉里国」を名乗り独立を宣言する。当然日本政府は反発、これを阻止すべく策を講じるが吉里吉里側は食料エネルギーの自給自足で足元を固め、高度な医学(当時日本で認められていなかった脳死による臓器移植を含む)や独自の金本位制タックス・ヘイヴンといった切り札を世界各国にアピールすることで存続をはかる。その攻防を含む1日半の出来事を、全28章にわたって描写している。”

井上ひさしは、この地域になにを感じて、
このようなストーリを考えたのでしょうか

話を蓬萊島に戻しますが
ココはかつては陸と続いていて、自由に行き来する事が出来ました。

しかし2011年の津波で陸とは隔離され、仙境を意味する蓬莱島に渡る事は出来なくなってしまいました。
その時に、特徴的な赤い灯台も倒れてしまったのです

私は2009に年に自転車でココを訪れましたが、
以下はその時の写真からの抜粋です


このように、陸とつながっています
灯台も今のものより小さいのがわかりますか?


ココを通ると神社のある灯台に行けるのです


美しい所です。さすが仙境への道です
こんな所に、あんな恐ろしい津波が来るとは・・・・・


当時の蓬莱島です。鳥居の向こうまで石伝いに行くと灯台があります

地元の学生の卒業写真の舞台にもつかわれるような場所なのです


この写真は、大槌高校のある年の卒業アルバムに写っている
かつての灯台です

最近では、島の維持が困難になり、売り渡されるという噂が出ましたが、
大槌町がこの灯台を購入したという話を聞きました。

蓬萊島は大槌町のアイデンティティーの一つであり、
地元の人の心の支えの一つだと思うのです

大槌町のHPをみると町の名勝に指定されたと記載もあります

このホームページには蓬莱島の歴史から文化的意義までが詳しく記載されています。
町全体でこの島を守る事は、
震災で傷ついた大槌の人たちの心を大切にする事なのだと
私は感じています