2/3、なかじさん主催する発酵祭に、いつかお会いしたかったウエダ家COBOと共に参加させていただきありがとうございました。

 

感想とお礼が遅くなりました。

当日、気管支炎を患っており回復に10日ほどかかってしまいまして、皆様からいただいた感想やお礼に返信もできずに失礼しました。

同時に、発酵祭の時に思っていたこと、話したことを、あれからもずっと考え続けていました。
今日は続きのようなことを書いてみたいと思います。
 

 

今回、2/3の言葉から乳酸菌の日としてテーマは乳酸菌でしたが、登壇するメンバーを見て乳酸菌だけではなく、酵母も含めた共生の話をさせていただきました。


主催のなかじさんから発酵祭に声をかけていただいた時、登壇する3名から共通するのは、300年続く老舗の造り酒屋『寺田本家』と思いました。

 

◎なかじさんは元寺田本家の杜氏さん。


◎ウエダ家COBOさんは、寺田本家さんと関わりが深く、講演会でも発酵の気づき、考え方について大切なことを故 寺田啓佐さんに教わりましたと話されていました。

◎私はお会いすることは叶いませんでしたが、寺田啓佐さんの『発酵道』の本より、大腸の大病をされて菌の世界に気づきがあり、人のお役に立てるお酒として自然発酵酒を復活させた方で、私も腸から菌の世界に気づいた一人なので、聞いてみたいこと、話してみたいことがあり切望していた方でした。

知ってから2ヶ月後に他界されたので本を読む事しか出来ず、ずっと声なきところに語りかけていくしかありませんでした。


「発酵道」は今でも読んでいます。ページを折るのは好きではないのですが、この本だけはサッと大切なところを読み返せるよう折り目をつけたのですが、ほぼ全ページ折ってしまいまして、結局どこがポイントなのかわからないという・・・

どのページを開いても心に響くことばかりなので、何度読み返してもその都度、気づきがあります。


 

 

3年ほどずっと寺田啓佐さんに話しかけていたように思います。
もちろん返答はないですし、答えも見つからない、相談できる人もいないと、ただ日々が過ぎていきました。

ある方の講演会で、お釈迦様が菩提樹の下で悟りを得たという話を聞き、「菩提」というワードから奈良県の菩提山、正暦寺が日本清酒発祥の地で『菩提酛』というお酒があることを知りました。

 

ずっと気になっていた感覚は菩提酛造りの「そやし水」だったと気がつきます。


その時にそやし水について、記事を書きました。

『そやし水』乳酸発酵酸性液

それまでお酒というと「酵母」という頭しかありませんでしたが、菩提酛の酒母造りの最初の工程を真似てみて、そやし水の「乳酸菌」の存在がとても重要に思いました。

※酒造りの話をしているのではなく、杜氏さんたちからみたら異論はあるかと思いますが、私は身体の細胞にとって響くものの視点から話しているのでご理解ください。

そやし水は、生米と水の中に、ガーゼなどで包んだご飯を入れ、4日ほどかけてご飯のデンプン質を菌の餌として乳酸発酵をさせていきます。

麹も入らない、材料はお米と水だけなんですね。
そこから乳酸菌が発生するわけですけど、一番シンプルな発酵と言えると思います。
どの分野においても思い当たるところがあると思いますが、シンプルこそ力強い。

シンプルは余計なものはないし、自由変化する大きな可能性を秘めているし、揺るぎない持続するものを感じます。

 

 

発酵祭の時に、なかじさんも講演の中で「そやし水」を説明されていました。




なかじさんは、寺田本家の自然発酵酒を復活させた時の杜氏さんですし、寺田啓介さんの元で肌で感じてきた方。そのお話が聞けるのはとても嬉しかったです。

 

打合せの時に、普段からワークショップで「そやし水」を伝えられているので、惹かれる理由を聞いたら

 

「命が湧き出る瞬間のようで、そこが好きなんですよね。ただそれだけなんですよ」

 

と話してくれました。

 


全く同意見で、乳酸菌とか発酵過程うんぬんと私も言っていますが、純粋にただ、ただ「命が湧き出る瞬間」に感動しています。


発酵好きな人たちって、本来、そこだけのような気がします。
うんちくは二の次。
目の前の神秘にただ、ただ感動し、笑みがあふれる。

 

自分で仕込みはするけど、発酵させていくのは菌たち。

私たちは手も出せず、祈るような気持ちで待つしかない。

人には到底できないことを、菌たちはやってのける。

 

私たちは浄化一つ、物事一つ変化させることもできないのです。

 

 

 

発酵道の本の裏に、当時の寺田本家の皆さんたちの写真があります。

 

 

ここになかじさんがいる。

 

そして、もう一人、ずっと心にある杜氏さんが写っています。

あれから何もできていないのですが、忘れているわけじゃなく、希望や願いというものをずっと持ち続けています。

時が来たら、動いてみたいと思っていることがあります。

 

 

 

次に講演されたのは、ウエダ家COBOのアミさんとユウさんで、前記事にも書きましたが、今、皆さんがいろんな酵母を気軽に作れるようになったのは、ウエダ家さんの功績が大きいと思っています。

酵母を成功させるには乳酸発酵の過程がとても重要となり、その方法を確立してくださいました。

発酵過程を映像でたくさん見せてくださいました。

 

 

発酵好きにはたまらない映像です(^^)

すごいよね、ただトマトを切って置いておくだけなのですが、普通ならそのまま置いたら腐るのに、手順を踏まえて発酵したら、旨味と栄養価が増して、保存も長くできるのだから。
切った時点では同じなのにね。

トマトをそのまま冷蔵庫に置いていたら、ただカビが生えたり、熟しすぎたりして腐ったものになるだけなのにね。

発酵させるか、腐敗させるかの分かれ道。

 

 

 

ユウさんの菌への探求心と発酵愛に、こちらまで笑みがこぼれました。

ウエダ家COBOさんは自社の自然発酵乳酸菌を開発されていて、それを使ったリンゴと人参の乳酸菌ドリンクを作ってきてくださいました。

 

飲んだ感想は『優しい』

 

ほんと優しい。

 

ウエダ家さんのお人柄がそのまま出てる感じです。
発酵飲料で何でお人柄なんだ?!ですが、ウエダ家さんが心から皆さんが健康になること、発酵を身近に取り入れる生活を願うこと、そして発酵を通して社会への貢献という思いが伝わってくる感じがしました。

講座を受けたり、一度でもウエダ家さんと直接お話されたら、皆さんそう思われるのじゃないでしょうか?

この自然発酵乳酸ドリンク、赤ちゃんの離乳食やお年寄りの食事にもいいと思いました。

すりおろしただけじゃない。

生きた乳酸菌、酵母もいて、腸が元気になるのだから。

熱を加えていないから酵素も生きている、ビタミンCも壊れていない。

 

発酵って初期発酵が上手くいくかが成功のポイントだと思っています。

素材が良い状態の時に、いかに早く分解し乳酸菌発酵に持ち込めるか。
ここでモタモタしていたら、その後の発酵も不安定なものとなります。

 

ウエダ家COBOさんの自然発酵乳酸菌を使うことは、初期発酵へ確実に早く持っていけると思います。
 

糠床に入れても良いそうで、糠特有の臭みも乳酸菌のおかげで軽減されるそうです。

おいしそう〜(^^)

                                 (写真をお借りしました)
 

 

今でも思い出して優しい気持ちになれます。


発酵って、本来、優しさなんじゃないかな。
競い合うものでもなく、威圧的になるものでもなく、何かと比べるのでもなく。


その素材の良さをどこまで引き出せるか。

それが持続するか。

心まで届くか。

 

 

その他にグルテンフリーの考え方について話しました。

続きを次に書きたいと思います。

 

 

今日も皆さまにとって、佳い一日となりますように゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚