水廻りの住宅設備機器について書きます。
要は、洗面所・浴室・トイレ・キッチンです。
間取り的なことではなくて、細部寸法や仕様などに
焦点を当てた内容です。
今回は、洗面所。というか洗面台。
(“洗面化粧台”とか“洗面カウンター”とか書くと長いので“洗面台”でいきます。)
なお、設備機器というのは新しく改良された商品が次々と出てくるので、
我が家を計画した2010年とは標準仕様もオプションの選択肢も
異なる可能性がありますので、その点はご了承ください。
■洗面台の仕様(無印良品の家)
HPに掲載されている『木の家』の洗面台はこちら↓
大きい写真はないのではっきりとは分かりませんが、
『窓の家』の標準仕様は同じかな?
『朝の家』もHPの写真を貼っておきます↓
我が家はややこれに近いです。
■洗面台の仕様(我が家の場合)
我が家の洗面台はこんなんです↓
アクリル系人工大理石 一体成形洗面カウンター
「ラピード ホスピタリティーカウンター」
品番:RHS-HSP
ボウル容量:7.0L ボウル深さ:141mm
標準幅:800mm 奥行き:600mm
商品紹介HP:http://www.abc-t.co.jp/products/material/wash/senmen/product/9295.html
水栓は、TOTOのカタログから適当に選びました。
「首が伸びるシャワー付ならいいやー」って感じで。
この洗面台は、(株)ABC商会という会社の製品です。
この会社は、建築資材や住宅設備機器など、幅広い種類の建材を
開発・輸入・販売していて、建築業界ではかなり有名な会社です。
商品名の中に「ホスピタリティー」という言葉が入っていますよね。
「ホスピタリティー」というのは“もてなし”という意味で、ここでの意味は
“バリアフリーに配慮している製品”といったところでしょうか。
この商品を選ぶきっかけは、他の方の入居者宅見学会です。
パクリ?いやいや、参考にしたと言ってください
まだ土地すら決まってない初期の段階に見学会で見て、
「なかなかいいなぁ」とずっと記憶に残っていました。
いざ計画段階になって、採用を決めた理由。
(ちょっと記憶があやふやな部分もあります。)
まず、「鏡は三面鏡がいい」という妻の強い要望があった。
『木の家』の標準仕様、「角型洗面器+メラミンカウンター+吊戸棚」だと、
三面鏡が付かなかったので、『木の家』は却下。
(部分的な取りやめが可能だったか、その辺はよく覚えていません。)
『朝の家』の「メディスンボックス」が三面鏡になることが分かり、
鏡の部分についてはまず採用決定。
洗面台はどうするか。ここで、見学会で見たものを思い出し、
“あのカウンター良かったじゃんそれでいこう
”となった。
(営業担当の方が同じだったことも、見学会で見た洗面台の仕様について
情報が入りやすかった一因かもしれません。)
万が一車椅子生活になった時に使えるんじゃない?
(当面その予定はないし、それなら無印の家の元の仕様でもいいんだけど。)
とまぁこんな感じで、理由があるようなないような…。
でも滑らかなフォルムのすっきりしたデザインは気に入っていたし、
実際使いやすい(掃除しやすい)です。
それに、『木の家』の標準仕様より、数万円の減額になりました。
なお、洗面台の下部はこんな感じ↓
今は無印のポリプロピレンケースを両側に3段ずつ積んで、
タオル類を入れています。
我が家の場合は基本的に機能性重視。
ケースを置くと、それなりにごちゃごちゃ感はあります。
ほんとに「見た目すっきり」を求めるなら、大手メーカーが
販売しているような洗面化粧台の方が隠す余地があるでしょう。
でもTOTOのショールームに行ったら、超高かった
「もうちょっとシンプルで簡単な造りのものは?」
「ありません。」って感じでした。
■洗面台の高さ(一般住宅の基準)
困ったことに、キッチンの高さは誰もが一度はちゃんと検討するのに、
洗面台の高さはスルーされることもあるみたいです。
キッチンの天板の高さはよく「(身長÷2)+5cm」という基準を用います。
洗面台に基準はないのか調べたら、ありました。(あまり知られていない?)
出典は、(株)ノーリツのHP。
(ガス給湯器を中心とした住宅設備機器メーカーです。)
参考URL…http://www.noritz.co.jp/product/aftersupport/faq/sanitary.html
洗面台の高さは、「(身長×0.8)-48cm」という関係式があるとのこと。
数字をあてはめると、
身長150cm → 洗面台72cm
155cm → 76cm
160cm → 80cm (女性の平均身長の場合)
165cm → 84cm
170cm → 88cm (男性の平均身長の場合)
175cm → 92cm
180cm → 96cm
ん~どうかなぁ。
(↑イマイチ納得してないっぽい。)
既製品の洗面台の高さって、5cm刻みだと思います。
そうすると結局のところ、僕なりの結論としては、
最近の洗面台の高さは、FL+800~850mmが多い。
あとは個別事情次第で対応しましょう。
【車いすの利用を想定した場合】
洗面台の高さは、700~750mmより低い高さにします。
かつ、床から600~650mmまでは、アームレストや足が入る空間を確保します。
■洗面台の高さ(我が家の場合)
決め方はシンプルでした。
当時住んでいた賃貸マンションの洗面台と比較してどうか?
で、あんまり面白みのない展開なのですが、
測ったらFL+850。 → 使いやすいじゃん。 → じゃあそれで(笑)
いや、僕の意見だけじゃなくて、小柄な妻の意見も含めてですよ?
そう考えると、我が家の洗面台は、ノーリツさんの基準より10cm高いけど、
妻は問題ないと言っている。
僕の身長からすると逆に、5cm以上低いことになるけど、
僕も問題ないと言っている。
そんなもんかいっ!
つまり…
①身長によって、使いやすい高さはかなり異なる(らしい)。
②賃貸住宅はできるだけ万人に使いやすい高さに設定している。
(古い建物は低め、新しい建物は高めの傾向有り。)
③でも慣れた高さが使いやすかったりする。
なんだかなーこの結論は。
結局のところ…『人間の適応能力は素晴らしい』ってこと?
■洗面台の高さ(一般建築の場合)
事務所ビルように、成人の利用が中心の場合は、FL+800が標準です。
店舗など、子どもも大人も利用する建物は、FL+750mm程度を標準とします。
なお、大人用の手洗いの隣に設ける子ども用(幼児~低学年用)の手洗いは、
通常FL+550程度に設置します。(写真の店舗はFL+500かも。)
公共の便所で、FL+700~720を基準としている場合もあるのですが、
これは昔の基準を踏襲しているだけ、と言ってもよいと思います。
(50年近く昔に定められた時の基準より、平均身長は3~5cm伸びています。)
もしかしたら、ベテラン建築士の方が低めに設定する傾向があるかもしれません。
■タオルバー(タオルハンガー)の高さ
おまけネタです。
通常タオルバーは、FL+1200に設置されますが、
我が家はFL+1350にしました。
(洗面台の高さがFL+850、スイッチの中心の高さがFL+1200です。)
我が家の場合は、洗面台の側面は壁にぴったり付いているため、
タオルバーの位置が低めだと洗面台に届いてしまいます。
洗面台の高さ(FL+850)と、タオルの長さ(80~90cm)の半分(40~45cm)、
そして常に均等な状態で2つ折の状態とは限りませんので、
その分の余裕を5cmみました。
850 + 450 + 50 = 1350です。
洗面台の端部が側面の壁と離れているなら、FL+1200でも良いと思いますが、
洗面台より上の高さで納めたいなら、FL+1300~1350ぐらいが良いと思います。
実際使ってみて、ちょうどいいです。
現在住んでいる家の洗面台の高さやタオルバーの位置をメジャーで計りながら、
「もうちょい上かな~右かな~」というように検討してみることをお勧めします。
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この記事をご覧いただいた方で、もし差し支えなければ、
自宅の洗面台の床からの高さを教えてください。
身長の影響は大きいのですが、個人情報ですしそこまでは求めません。
ただ単に、最近のおうちはどうなんだろう?と思ったので。
だって他人の家に行ってメジャー当てるなんて失礼なことできないし…。