甲府旅初日、甲斐善光寺に訪れました。

善光寺と言えば、

"牛に引かれて善光寺参り"で有名ですが…

善光寺は長野では?

もちろん、本山と同名のお寺が全国には多々ありますが、この甲斐善光寺はちょっと違います。

何が違うかと言えば、

本家善光寺を完全に模した造りになって、言わば、第二の善光寺となっている点です。

善光寺駅から徒歩で10分程、

立派な山門に着きます。



一方、こちらが本家、長野の善光寺の山門。



山門はそっくりではないですね。

門を抜けて石畳の参道を進みます。



境内は松や桜で飾られています。



桜も散り始めながらも、まだまだ満開。



本家同様、六地蔵さんもいらっしゃいます。



六地蔵とは、六つの世界への生まれ変わりを繰り返すという輪廻思想に基づくお地蔵さんです。

 

その六つの世界とは、地獄道・飢餓道・畜生道・修羅道・人道。天道。

2/3の確率で怖い世界への生まれ変わり…

ちょっと気が引き締まる思いをしつつ、

金堂へ。



色がちょっと違いますが、まさに長野の善光寺とそっくりです。



こちらが、長野の善光寺。



細部の装飾に違いはあれど、他はそっくり。

見た目だけでなく、長野の善光寺でも有名なお戒壇廻りが甲斐善光寺にもあります。

金堂の床下、真っ暗闇の中を壁沿いに進み、ご本尊と繋がっている鍵に触れる珍しいお参り方。

また、金堂の天井には見事な鳴き龍が描かれていて、手を叩くと素晴らしく鋭い共鳴を体感出来ます。この龍の部分だけ吊り天井になっている為、多重反響を起こすからだそうです。

再び、金堂の外観に。

迫力満点。



この善光寺特有の撞木造りが素晴らしい。

*読みは"シュモクヅクリ"

 

特に、羽ばたく翼の様な屋根の勾配がたまらない。

数年前に長野の善光寺を見た時の感動と衝撃は今も鮮明に覚えています。

ちょっと、不謹慎かもしれませんが、ともかく格好良くて。

どことなく、SFチックと言うか、戦艦か要塞の様な。

寺社や城は桜が本当に映えますね。



青空もポイント。



見とれるばかり…

ところで、何故、この地に第二の善光寺があるかですが、

川中島の合戦の際、戦火による焼失を懸念した武田信玄が御本尊等をこの地に奉遷した為です。

焼失してしまった場合は、甲斐に善光寺をそのまま再生出来るように保全を図ったという訳ですね。

武田氏滅亡後、御本尊は織田、徳川、豊臣の元を転々として、長野の善光寺に返還されたようです。



金堂は色鮮やかな花や草木で囲まれていて、目を楽しませてくれます。

まさに巨大な戦艦の様な奥行き。




売店で信州名物の野沢菜のお焼きを。



金堂を背景に1枚。

野沢菜はお焼きで食べるのが一番好きです。

予定以上に長居をしてしまった。



とても良いお参りでした。

近い内に長野にも行こう…

帰りは身延線の善光寺駅では無く、中央線の酒折駅へ向けて散策です。

途中、予定になかった酒折宮に寄り道。



神社の脇には古墳の様な、石碑や祠が並ぶ何やら深い空気感を漂わせる丘(塚?)があります。

しめ縄と鳥居の奥に神明造りの社殿が鎮座しています。



主祭神は日本武尊。

東征の折、日本武尊がこの地に一時留まった事を起源としているそうです。

また、連歌発祥の地として知られているそうで、境内には様々な文人の記念碑が建っています。

大きな神社ではないのですが、不思議と良い意味で重い緊張感がありました。

これで、旅の初日は終了です。

ところで、本日4/12は武田信玄の命日です。甲府では騎馬行列が見物のお祭りが開催されるみたいですね。

英雄を讃え…

続く