読売新聞

5月25日

「トヨタ自動車が、経営危機に陥っている米ゼネラル・モーターズ(GM)に、エンジンとモーターを併用して走るハイブリッド車の中核技術を供与する検討に入ったことが24日、分かった。

 GMは近く米連邦破産法11章の適用申請に踏み切るとの観測が強まっているが、トヨタはGM側から要請があれば、破産法適用後でも供与に応じる方針だ。

 トヨタが供与を検討しているのは、エンジンとモーターの動きを制御して燃費を向上させる特許技術で、「プリウス」などに搭載している。GMが独自開発したハイブリッド技術よりも燃費性能は格段に優れる。

 GMが経営危機に陥った原因の一つは、環境技術で後手に回り、昨年前半までの原油高でガソリン価格が高騰し、燃費が悪い大型車を中心に販売が急減したためだ。このため、トヨタは自社のハイブリッド技術をGMに供与して経営再建を側面支援する。この結果、トヨタのハイブリッド技術が、事実上の世界標準になるメリットもある。

 また、米自動車メーカーが相次いで経営危機に陥ったことで、日米自動車摩擦が再燃する芽を摘む狙いもある。

 トヨタとGMは資本提携はしていないが、米国で小型車を合弁で生産するなど協力関係にある。」