蛍が見たい、
そう言ったわたしに、
いつでも見られるよーと、笑った友人に対して、
なんで?
来年必ず見られる保証はないじゃない?
今年、見たいんだもん、いま!
と、ちょっとムキになってしまった。
書くのもためらうほど、恥ずかしいことに。
わたしは、いままで蛍を見たことがない。
蛍って、どこで見られるんだろう。
いつが蛍の季節なの?
いつもいつもそう思うときには、
シーズンが終わってしまっていて、
とうとう40になるまで、見たことがなかった。
ムキになったわたしに友人が、
来年も再来年も絶対見られると、
断言してあげることはできない。
でも、元気で5年後、10年後を迎えてほしいと、
いつも思ってるよと、言ってくれた。
病気のあと、あなたが急に、
何をしても、どこへ行っても、
写真を撮りだしたことも、
ずっと、見ていて痛々しかった。
大丈夫だよと、言ってあげたかった、とも。
泣いてしまった。
携帯で写真を撮りだしたことを、
一度だけ、「記録のため」と、話したことがあった。
親友でも、このブログのことを話したくはなかったから。
いろいろ思うことはあっただろうに、
何も聞かないでいてくれる友人に、
いつも、ごめんねとありがとうを思っていた。
そして、先週。
蛍を見てきました。
暗闇に目が慣れるまで、
そのはかない灯りには気がつかなかった。
薄ぼんやりと、そこかしこに、
透きとおった緑の光。
野生の蛍じゃないのは邪道かもしれないけれど、
庭園に放された無数の蛍。
おーい、蛍。
見に来たよ。
全く、ホルモンのせいなのか、すぐにドバドバ涙が出る。
でも、暗いからいいや。
係りの人が話す、いろいろな解説を、
ぼんやり聞きながら、
幻想的な灯りをボーっと眺めていた。
「わたし、蛍を見るの初めてなんですよ」
だからすごく嬉しいですと言うと、
係りの人は、にっこり微笑んでいた。
暗がりから、「どうぞ」と、差し出された手。
よく分からず、差し出したわたしの手に、
係りの人の手が重なって、
わたしの手の中に、小さな灯りがともった。
次の瞬間、
うぎゃあぁぁあああっ(/TДT)/
蛍の足が、わたしの手のひらの上で動き、
その感触がっ(涙)
ほ、蛍、キレイだけど、虫、虫だったよっ
大声で叫んでしまいました。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ。
帰り道、横浜開港祭の花火が見えました。
駅ビルの真上に、少しだけ。
蛍に花火。
蛍の写真は、撮れなかった。
はかない灯りは、わたしの携帯では写すことが出来ずに。
でも、ちゃんと、胸にしまったよ。
きれいだった、蛍。
金環日食に蛍。
この年になっても、初めてのものを見られるって幸せなのかも。
今年じゅうに、あといくつ「初体験」ができるかな。
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