アナログ放送終了を目前に控え、私は焦っていた。
正直あまりテレビは見ないのだが、ニュース、スポーツはそれなりに見ているのだ。
来年にはオリンピックがあるからそれまでには買うつもりだが、アナログ放送終了と共に買うべきか否か・・・
まとまった金が一瞬にして消えてしまうのは明らかなので、やはり躊躇してしまうのだ。
そんな中、貧乏友人が仕事で同じ現場だったので話をしてみた。

「なあ、もうテレビ見れなくなるじゃん」 ('・_・` )

「はい」 (´・ω・)

「お前どうする?テレビ買う?」 ('・_・` )

「いや、うちのアパート、地デジ対応のアンテナ立てたんで大丈夫ですよ」 ( ^ω^)

「うん・・・・・えっ!?」 ∑(゚◇゚;)

( ^ω^)

「いやいやいやいや!!」 (゚◇゚;)

「?」 (´・ω・)

「テッ、テッ、テレビはアナログテレビだろ?」 (゚◇゚;)

「はい」 (´・ω・)

「アンテナが地デジ受信しても、テレビにチューナーが無けりゃ電波受信できねーぞ」 (゚◇゚;)

「・・・・・」 (´・ω・)?

「え゛っ!!」 (((゛◇゛)))


真実を悟った友人の表情が明らかに一変した。
どうやら、俺以上に焦る輩が生まれたようだ。
それと同時に残念な事にも気付かされた。
「地デジ移行でテレビ見れないから見せてくれよ~」と彼の家に押し入り、
「あれ?映らない!!」と悲鳴をあげる彼の姿を見るべきだった。


中年記




中年記

ご覧の通り、最近私は干し芋にハマっています。
暇さえあれば干し芋食べてます。
先日、20年の付き合いになる劇団時代の友人に飲みに誘われたので飲みに出掛けました。
居酒屋にて友人が「これ面白かったからやる」と赤川次郎の本をくれました。
私はお返しに「これうまかったからやる」と干し芋をあげました。
干し芋のおいしさを知らないアホの友人はギャハハと笑っていました。
彼は今年の4月にめでたく結婚したので、酒の席は新婚生活の話で盛り上がりました。
そして、彼はある事に気付き口を開きました。

「そういえば森嶋、俺、結婚したんだけどお祝い・・・」

ここで、普通の真っ当な人間なら「しまった!」と思うのでしょうが、私はそうではありません。
間髪入れずに「さっき、あげたじゃん」と言い返しました。
一瞬の静寂の間が過ぎ、彼はギャハハ!とバカ笑いしました。

彼は「森嶋、折角だからのし紙書いてくれ」と言いました。
書くものを探していると友人が調味料などが置いてあるところにあるペーパーナプキンを見つけ、「これに書いてくれ」と言いました。
さすが、私の友人だけの事はあります。
私は快く友人の願いを聞き入れました。

中年記

店員を呼び止め、セロハンテープを頼むと手作りのし紙を干し芋に貼り付けました。

ギャハハ!! (^◇^) (^◇^)

理由もなく笑えました。
そうこうしてる内に、彼の携帯に奥さんから電話が掛かってきました。

「あ、今、森嶋から結婚祝いもらったからよ。ちょっと代わるわ」

奥さんは実は20年前に彼と私と同じ劇団研究生だったので、当然私とも面識があるのです。

「おー、○○ちゃん、おめでとー!」

「あー、森嶋君。ありがとう~」

「まー、ほんの気持ち程度なんだけど結婚祝い○○○○にあげたからさ」

「そんな、気をつかわなくてもいいのに~・・・」

「いやいや、本当にたいした物じゃないから、気にしないで」

「ほんと、ありがとねー!」

本当にたいした物じゃないのに、すごい感謝されてるみたいだ。
彼女が現物を目撃した時の姿を是非とも拝見したいものだが・・・


それは二人だけの楽しみにすればよい。

昨晩はどういうわけか、体の具合が悪く悪寒が激しかった。
どうしようもないので、押入れからサウナスーツ引っ張り出し、それを着て床に入る。
寒気は収まり、ポカポカと気持ち良く就寝する事が出来た。
朝、気付くとパンツ一丁。
寝ている間に暑くなり、無意識に脱いでいたらしい。

それが悲劇の始まりであった。


謹慎が解けて初勤務。
張り切って出勤したものの電車内で脱力感が出てきた。
前にこの症状が出た時に意識無くして倒れた事がある。
アレに似た前兆だ。
これはイカンと、倒れる前に代々木上原にて途中下車。
ベンチに腰を掛けて休んでいると今度は腹痛が襲う。
アレ?これはトイレ行った方がいいなと腰を上げた瞬間に激痛が襲った。

なんだ!コレ!? ∑(゚◇゚;)

一瞬にして便意が襲う。

ヤベぇ!出る!! (゚◇゚;)

とにかく階段を駆け下りてトイレへ。
朝の7時前という時間なのに大トイレに5人並んでる。

うっそだろぉおおおおお!! (((゛◇゛)))

一刻の猶予も無い状態なので改札口に走り、駅員を呼び駅員さん用のトイレを使わせてくれと叫ぶ。
新米らしい兄ちゃんが「それは出来ないと思います」などとほざくから、「とっとと上司を呼んで来い!」と私は叫んだ。

「お待ち下さい!」 ∑(゚◇゚;)

そう言うと新米は奥へ消えて行き、上司がのそのそとやって来た。
全身鳥肌を立たせている私を見て上司は「漏れそうなの?」と聞くから「限界です!必ず漏れます今にも漏れます!トイレ使わせて下さい!!」と畳み込むようにお願いした。

「今、使用中だからダメだよ~」とのほほんとした回答が来た。

「ぐああああ~~~~っ!!」 (`◇´i)

「並んで待つしかないよ」と上司が一般トイレに向かったので、私はヒョコヒョコと猫背で上司について行った。

「あ~、まだ並んでるねえ~」

「ぐあーーーっ」 (`◇´i)

「並んで待つしかないね」と薄情にも上司は去って行く。

残された私は断末魔を迎え、うずくまりピクピクしていた。
すると前に待っているオッサンが私に声を掛けた。

「漏れそうなの?」 (´・ω・)

「もう、ダメです。漏れます」 (`◇´i)
「ぐああああ~~~~っ!!」 (`◇´i)
(((`◇´i))) ブピッ!ブピッ!ブブブブブ・・・

人前でこんなに豪快に屁をこいたのは久し振りだ。

「漏れるぅううううううううーーーーーー!!」 (((`◇´i)))

公衆の面前で恥ずかし気も無く大声で叫んだ。
そうすれば、待っている人達が先に入れてくれるかも知れないと思ったのだ。

事の重大さに気付いた前で待っているオッサンが更に私に声を掛けた。

「隣に女子トイレあるでしょ」 (´・ω・)

「あ゛い!」 (`◇´i)

「そこに身障者用のトイレ見えるでしょ」 (´・ω・)

「あ゛い!」 (`◇´i)

「そこ、使っちゃいなよ」 (´・ω・)

「無理です~~~~~~~~~!!」 (((゛◇゛)))

「大丈夫だよ、分かりゃしないって」 ( `ー´)ノ

「いや、だって、たくさん人、出入りしてるし!!」 (((゛◇゛)))

「大丈夫、大丈夫」 ( `ー´)ノ

(ひ、人事!!!!!!) (`◇´i)
(((`◇´i))) ブピーーッ!

「ぎゃーーーーーっ」 (((`◇´i)))

「改札出てコンビニ行った方が早いよ」 (´・ω・)

(こいつら、譲る気ねーーーーし!) (`◇´i)

どうせ漏らすなら、外で漏らそうと私は奇怪な生物の動きで改札を出た。
運良く駅前にコンビニがあったので駆け込む。

「トイレ行きます!」 (((`◇´i)))

わしの事ならここでも先客がいて落ちがつくというとこだが、神はそこまで非情じゃなかった。
私は用を足す事ができた。
冷静になって振り返ると、大の大人が大声で漏れる~~~ッ!!と公衆の面前で叫ぶなど、何て恥ずかしい行為なのだ・・・
人間、極限状態になると恥も外聞も無くなるものだ。

それにしても、あのオッサン・・・
なんて無責任な大人なのだ・・・

極限状態を脱した後、体の具合の悪さなど吹っ飛んでしまった。
いやはや、いい事か悪い事か・・・