民主党の参院執行部が31日、鳩山由紀夫首相(63)に対して事実上の退陣勧告を行った。社民党の連立政権離脱と内閣支持率が20%を切ったことを受け、民主党の高嶋良充筆頭副幹事長(69)=参院幹事長=は同日午後、夏の参院選で改選される議員から首相の辞任を求める声が「圧倒的に寄せられている」と取材陣に明言。その後、小沢一郎幹事長(68)とともに輿石東参院議員会長(74)が鳩山首相に会い、参院選情勢が厳しいことを伝えた。鳩山政権は風前のともしびだ。

民主党内から上がっていた「鳩山降ろし」の声が、ついに参院の中枢から公然と流れてきた。

この日、先陣を切ったのは高嶋筆頭副幹事長だ。夏の参院選で改選される議員から「『このままでは戦えない』と首相の辞任を求める声が圧倒的に寄せられている」と記者団に明かした上で「党と政府の最高責任者である鳩山首相の決断にかかっている」と語り、首相の自発的な辞任を事実上、求めた。

夕方には、小沢幹事長とともに輿石参院議員会長が首相と緊急会談。時間は5~10分程度だったが、夏の参院選の情勢が極めて厳しいとの認識を伝えた。首相は「そんなに厳しいんですか」と認識の甘さを露呈したという。輿石氏が強い口調で首相に退陣を迫ったという情報もある。首相は続投の意向を示したが、参院執行部が音頭を取っての「鳩山降ろし」が始まったのは明らか。この後の民主党役員会で、小沢氏は1日にも首相と再度会談する考えを明かし「中身は一任してほしい」と要請。首相との再会談で、首相並びに小沢氏自身の進退について判断するものと見られる。

一方、鳩山首相は輿石氏らとの会談後、記者団に「私自身のことで迷惑をかけていると理解しているが、国民のために働かせていただきたい。厳しいことはよく存じている。初心に戻る覚悟で頑張る」と話した。会談については「厳しい局面だが、国家国民のため力を合わせて頑張ろうという打ち合わせだ」と説明し、自身の続投は「当然のことだ」と主張した。だが、輿石氏は「何も決まらない」と記者団に語っており、食い違いは明らかだ。

以前から執行部刷新を求めてきた面々は、鳩山退陣論の高まりを当然とみる。生方幸夫副幹事長(62)は「国民の信を失った方が参院選をやっていいのか。与党として体制を立て直さなければ」。渡部恒三・元衆院副議長(78)は「もっと早く辞めていればさわやかだった」とすでに退陣が決まったかのように話した。

党の最高実力者である小沢幹事長は1日の出張予定をキャンセルして、都内で対応に当たるという。昨夏、国民の期待を背負って政権交代を実現した鳩山内閣の崩壊は秒読み段階に入った。

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