皆さんは、WBCを盛り上がって見ていますか?
僕はもちろん、夢中で見ているんですけれども、
絶体絶命の大ピンチに必ず売ってくれる中日の
井端選手が、あまりにカッコ良くて、今年の春は、
中日を応援しようかと思っているほどです。
しかし、侍ジャパンが日本中に感動を与えている
その裏で、日本の原子力政策は、とことんクソな
ことになっていますので、今日は原発ニュースを
お伝えしようと思うのですが・・・。
■ 福島県鮫川村長の話。
1kgあたり8000ベクレルを超える、高濃度に
汚染された放射性廃棄物を焼却できる施設の
建設を計画している福島県鮫川村。
人口わずか4000人ほどの小さな村ながら、
高濃度に汚染された廃棄物を焼却してしまえば、
バグフィルターがついているとはいえ、二次的な
拡散になってしまうことは言うまでもありません。
ところが、鮫川村の大樂勝弘村長は、「反対を
している住民は、村の1割に過ぎない」と言い、
かつて静岡県島田市で瓦礫焼却が強行された時と
同じようなロジックで、建設を強行する姿勢を見せ、
反対の声は、より大きくなりました。
反対している人が、村の1割しかいないという
認識は、本当に正しいのか。IWJのスタッフが、
鮫川村の村長に独占インタビューをしました。
大樂勝弘村長は、「説明会をするつもりが、
反対集会になった。反対したのは地元の
住民ではないのだ」。
相変わらずの大樂勝弘村長。放射能の問題は、
近隣の市町村も巻き込むような、大きな問題だと
思っていないので、ごく80軒ほどの地元住民が
大丈夫だと言えば大丈夫ということにしています。
さらに、「放射性廃棄物は2年経っているので、
だいぶ低くなった」と語り、「焼却炉の安全性は
日立の技術者が大丈夫だと言っている」という
メルヘンっぷりでした。
日立はプラントメーカーだから、
大丈夫と言うに決まっています。
商品を売るヤツが「ダメだ」と言うわけがない!
危険だったとしても大丈夫だと言ってしまう人に
安全性を確認してもらっても、意味がありません。
さらに、鮫川村は線量が低いので、本来ならば、
「野焼きをしても大丈夫なくらいだ」とまで語り、
「住民が少し我慢すればいいだけ」だそうです。
「こんなに線量の低い地域はなく、落ち葉を
燃やすのも危険だと言う人たちがいるから、
放射性廃棄物を燃やすのが怖くなるんだ!」
どこぞの安全野郎みたいなことを言ってますが、
これが、この国の自治体のトップに立つ人の認識。
とにかく8000ベクレル以上であっても燃やしたい。
今の日本は、こういう状態であるということです。
■ 東京電力の定期記者会見。
今回も東京電力は、特に「異常なし」と発表。
異常があっても「異常なし」だとは思いますが、
定期的な記者会見も、しっかり見守っていきます。
それにしても、東京電力の記者会見の担当者は、
のび太クンを大人にして実写化したような人です。
全担当者に共通していますが、のらりくらりです。
■ 田中俊一氏の記者会見。
かつて、日本原子力研究開発機構の小林氏に
話を聞いた時にも、同じことを言っていましたが、
原子力ムラの人が言うことに、変化はありません。
原子力ムラのトップに君臨し、批判を浴びながら
原子力規制委員会の委員長になった田中俊一氏。
記者会見での発言をまとめました。
■ 医療被曝も原発の被曝も、放射線は同じ。
■ 人間は放射線治療を受けて長生きしている。
■ 放射線治療ができる以上、心配は要らない。
■ だから、皆さんにはもっと勉強をしてほしい。
■ 人々が不安になるのは、風評被害が原因だ。
■ 大文字焼きの報道で、怒りと不安が生まれる。
■ 福島県民に必要なのは、苦境を乗り越える努力。
■ 不安に打ち勝って、活力を持って生きるべきだ。
■ 健康管理調査が人々の不安を煽っているのだ。
■ そのためには、データベースを整えるべきだ。
■ 線量を検査することは、国がやるべきである。
■ 「小児甲状腺がん」は、原発の影響ではない。
■ だから、むしろ「見つかって良かったね」という話。
■ ベントすると社会問題になるが、規制委員会では
責任を取れない。電力会社が責任を持つべきだ。
だから、規制委員会はベントの指示はしない。
■ 100ミリシーベルト以下の被曝は、世界中の
科学者がどう逆立ちしても、いろんな疾病が
あるとは、なっていない。
■ LNT仮説についても、学問的な根拠はない。
■ 100ミリを超える住民の被曝がないのは明らか。
■ プルサーマルでも、根本の安全性には変化なし。
根っからの原子力ムラ野郎です。
結局、日本の原子力の安全を、このような人間が
トップに立って守ろうっていうんですから、とことん
腐っているという感じです。
後藤政志さんは、「新安全基準は、IAEAや
ICRPの考え方ばかり採用しており、今回の
福島第一原発事故の日本の教訓がまったく
反映されていない」と指摘をしています。
また、「津波の高さの話ばかりをしているが、
津波で流れてきた船がぶつかったらどうか」。
「地震発生から津波が来るまでの時間をどう
考えているのか。人間が扉を閉めることに
なっているが、人間が閉められる保障はなく、
自動的に閉まるシステムにしなければ設計と
言うことはできない」という指摘をしていました。
結局、人間が頑張るというのでは、ヒューマン
エラーが出てしまい、安全の確保はできません。
扉を閉める作業だって、バタバタしている現場で
必ずできるとは限らないし、想定外のことなんて
簡単に起こるわけです。
「こんなものは、IAEAの基準に則るなどの
問題ではない!」と、後藤政志さんは断言して
いましたけれども、僕もそう思います。
原発は、絶対に安全でなければならない。
しかし、「絶対に安全」なんてことはないのです。
それでもまだ動かしたいのだから、ビックリです。



