首相官邸前では、連日、大飯原発再稼働に
抗議する人たちが集まり、今週の金曜日には、
前回の4万5000人を、さらに上回る人たちが
集まるのではないかと言われていますが・・・。
「デモに参加して、何か変わるのか?」
そう思っている皆さんに、今日は、一見すると
無意味に思えるようなことであっても、みんなが
できることをするだけで、「世界は変わる」という
話をしたいと思います。
こちらの男性をご覧ください。
ギターを片手に、歌を歌っています。
後ろには「子供たちを守ってください」と
書かれた横断幕がありますが、その風貌は、
「ヒャッハー!」と言いながら、子供たちから
種もみを奪う、「北斗の拳」の悪党にしか
見えません。(※実物は、良い人でした。)
今どき、まさかのモヒカン。その姿を見る限り、
僕と同じくらいモテないニオイしかしませんが、
タダチーニ枝野やバカボン野田の政治を問う
メッセージソングには、パワーがありました。
しかし!
経済産業省の前で、魂のメッセージソングを
熱唱しているものの、兄貴の歌を聴こうと
足を止める人は、1人もいませんでした。
通行人は、本当に1人も立ち止まることなく、
奥に座っている灰色の帽子を被った爺さんは
テントの関係者なので、観客とは呼べません。
それでも、モヒカンの兄貴は歌いました。
誰も聴いていないけど、そんなのお構いなし。
「自分には、歌うことぐらいしかできない」と
言わんばかりに、ひたすら魂の込もった歌を、
ハーモニカをパープー言わせながら歌う。
「テントひろば」の中継カメラで撮影している
カメラマンは3人いますが、観客は0人です。
経済産業省で働く官僚のオッサンもスルー。
付近の官庁で働いているキャリアウーマンの
かわいい女のコたちもスルー。誰一人として
足を止める人がいないまま、歌い続けていた
モヒカンの兄貴。
やがて日が暮れましたが、相変わらず誰一人
立ち止まる人はいません。それでもモヒカンの
兄貴は歌い続ける。
こんなことに何の意味があるのか。
このメッセージソングに、心を打たれる人なんて
1人もいないのです。だって、誰も聴いてないし!
誰も聴いてくれないのに、歌っても仕方がない!
そう思った次の瞬間でした。遠くの方から何だか
リズミカルな音がするではありませんか!
ドラムマーチングデモ。
みんなが打楽器を持って、リズム良く叩いて
「再稼働」に抗議する、新しいスタイルのデモ。
この新しいデモ隊が、今どきモヒカンも含めて、
フォークギターにハーモニカな昭和スタイルの
北斗の兄貴の前を通ると・・・!!
ジャカジャカジャカジャカ!!
ジャカジャカジャカジャカ!!
パプパプパープー!!
臨時セッション!
経済産業省の前は、ドラムにギターが加わり、
2倍の賑やかさ! そして、もちろんこの瞬間を
逃すわけにはいかないとばかりに、写真を撮る
パパラッチの僕。
結局、この「魂のメッセージソング」は、
通行人こそ誰も聴いてくれなかったのですが、
たまたま北斗の拳の悪党キャラに似ていると
いうだけで、『チダイズム』によって、日本全国
月間230万人の目に晒されることに!
そうです。経済産業省の前で歌を歌うという、
一見、無意味そうなことでも、偶然通りかかった
ドラムマーチングデモとセッションをしてみたり、
偶然通りかかった人気ブロガーに目をつけられ、
歌そのものは届かなくても、「魂」は伝わったり、
さまざまな奇跡へとつながっていくのでした・・・。
こんな小さなことで、何か変わるのだろうか?
そう思うことはたくさんあるかもしれませんが、
それぞれが、自分にできる小さいことをすれば、
ある臨界点に達した時、それは大きな力になる。
はじめは、どこぞのオッサンのツイートでも、
首相官邸前に4万5000人を集めるまでになる。
何が起こるかわかりません。自分にできることを
コツコツやっていけば、案外、世界は変わるかも
しれません。
さあ、あなたは何をしますか?