1986年のマリリン   by 本田美奈子 | 勝手に利己面だー

1986年のマリリン   by 本田美奈子

歌手の本田美奈子.さんが、急性骨髄性白血病で亡くなったということであります。しばらく前に白血病で闘病中というニュースが流れていたので、気にしてはいました。しかし、本当に病魔は深く彼女の身体に取り憑いていたのですね。まだ38歳だったそうであります。38歳といえば、ホセ妻と同い年であります。まだまだこれからの若さ、夢半ばで召されたということですね。心からご冥福をお祈り致します(合掌)。

今日の一曲は追悼の意を込めて1986年のマリリン。
この年、21歳のワタシは、自分にとっての人生というものの意味に悩み、20歳の時に長~い鬱状態に陥り、大学に通っていたにもかかわらず、ほぼすべての試験を欠席し、本当に奈落の底にいるような苦しみを味わった後に、やっと当面の「やりたいこと」が見つかって、それに向かって邁進していたのでした。
やりたいことというのは、オーストラリアをオートバイで一周してみたいということで、この時期に邁進していたのはお金を貯めるためにアルバイトをしていたということです(^^;

遠くの未来に具体的な夢を描けず、しかし世の中はワタシのそんな焦りとは関係なく毎日がただ何となく忙しそうに過ぎて行くのでした。
ワタシと同世代の人間達の中には結婚して子供がいるものがいたり、社会に出て一生懸命に働いていたり、みんな輝いて見えるのに、ワタシときたら親のスネをかじりながら大学に通わせてもらっていて、ただのんべんだらりと毎日を漂っているだけで、大学の先輩達は就職の内定をいくつも貰って(当時はバブル景気の前夜のような時代。)はいるのですが、それをみていると「ああ、オレもこのままだと普通のサラリーマンになるんだなぁ。そして、気がついたらオジサンになっているんだなぁ。」と思ったら、この世の中のことすべてがとても虚しいもののような気がしたのでした。
「死にたい」とは思いませんでしたが、「いつ死んでもいい」という気持ちでした。それは充実感が同居した後のものではなく、ただ漠然とした虚無感から発せられる、なかば自暴自棄のそれだったので、今考えるとかなり危険な状態でした。

ワタシはその後、自分の小さな野望を果たすことになるのですが、その途中で「自分の人生」ということを深く考える事象に出会い、現在にいたるまで相変わらずのうのうとして生きておりますが、当時のような自暴自棄的な感覚というのはそれから以後、感じたことがありません。生きるということは、ただそれだけで素晴らしいことなのに、それを共に歩く伴侶がいたり、その愛の結晶である子供がいたりということも、その原因であることは言うまでもありません。

本田美奈子さんのこの曲を聴くと、何となくその時の感情を思い出して、ちょっとほろ苦い気持ちになります。

作詞は秋元康、作曲は筒美御大でございます。


本田美奈子, 売野雅勇, 中村哲, 船山基紀, 松本隆, 大谷和夫, 秋元康, 新川博, 鷺巣詩郎
ゴールデン☆ベスト
iTMSならこちらから

安らかにお眠りください・・・