【第26号】話がまとまらない部下に、つい横やりを入れてしまいます | ビジネスコーチングプロジェクトのブログ

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リーダー・経営者のための部下の心を動かすコミュニケーションのヒント

こんにちは。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
火曜日担当【必勝!運命学コーチ】の新島マキコです。

今回は、部下につい余計な一言をはさみがちという上司の
お悩みについてです。

【質問】

性格の違いもあるのでしょうか。仕事の報告やちょっとした面談の際に、
なかなか話がまとまらない口ベタな若手の部下がいます。
するとせっかちな私はつい、ダメ出しのような横やりを入れたり、
自分の意見を強く言いがちなんですよね。
話を最後まで聴かなければ、というのはわかっているのですが…。





【回答】

なかなか話をまとめられない部下に、横やりを入れてしまうのですね。
当然部下の中にも、なんとなくあなたと似ている、あるいはまるで違う
タイプ、とさまざまな方がいることでしょう。

“口ベタな部下”とありますが、果たしてそれだけが要因なのでしょうか。
あるいは、本当に口ベタだと言い切れますか。

ひょっとして、あなたのイライラしている態度が、その部下を威嚇して
しまっている
ということは考えられないでしょうか。

コミュニケーション手法のひとつに『ペーシング』というものがあります。
これは、目の前の相手に、話し方や話すスピード、仕草、声のトーンなどを
合わせるという方法です。


もし部下が、あなたの前だから緊張していたり、うまく話をまとめられないの
だとしたら、少しでも話しやすい場づくりをしてみるのも一案では?
場合によっては、部下として上司に伝えにくいこと、考えながらあなたに
伝えようとしていることもあるでしょう。そうした際に部下が気兼ねなく
話せる環境を整えるのも、上司の役目だと考えます。

特に1対1の面談時などには、おそらく話もシリアスでしょうし、有効なはず。

ペーシングのやり方としては、

話すスピードを相手に合わせる

声のトーンをあわせる

それとなく同じ仕草をしてみる
 (ex. 相手がコーヒーカップに手をかけたら、同じような動作をするなど)

これらを実践することで、相手は安心感を得ますし、自分に同調して
くれているという気持ちになり、話しやすさを生むのです。
とはいえ、あまり露骨に相手のマネをするような態度は、かえってマイナスに
なるため、あくまでさりげなくがポイントです。

例えはちょっと違うかもしれませんが、刑事ドラマでもよく、恫喝する血の気の
多い取り調べより、寄り添うような口調のベテラン刑事の優しさに“落ちる”
犯人という構図が見られますよね。

『上司の自分に話もできないようじゃ、取引先へのプレゼンなんて到底
 できないよな』

なんておっしゃらないでください。
まずは、身内であるあなたに話す時は、安心して何でも話せるのだという
自信をつけさせてあげること。しっかりと信頼ある関係性を築くのが重要です。

そしてあなた自身も理解されている通り、まずは話を最後までしっかりと
聴きましょう
。人は自分の話を遮られると、とても不愉快なものです。
否定された気持ちになり、特に部下のようなタイプはさらに自信を失って
しまいます。

まずは一旦すべてを受け止める。その後で『私が思うには……』とあなたの
意見や考え、アドバイスを伝えてみてください。
そして部下の振る舞いに対して気づいたことがあれば、『自分には君が○○の
ように見えたよ』とアイ(I)メッセージで伝えましょう。

上司と部下という上下関係であっても、会話が一方通行で良いことはありません。
キャッチボールが成り立ってこそ、仕事も円滑に進められるというものです。


【コーチングのワンポイント】

話す相手は自分の『』です。この考え方は、コーチングにおける基本です。
部下の発言はしどろもどろだと責める前に、自分が相手に対してどういう
態度で接しているかを、今一度振り返ってみましょう。
たとえば威嚇するような上司に対して、意気揚々と元気良く話せる若手部下など
なかなかいないはず。相手の心を開かせたいなら、まずは“わが振り”を
見直してみることです。相手の振る舞いは、あなたの言動を映し出す鏡だと
心得て対話してみてはいかがでしょうか。


【編集後記】

かつて『この人と話していると、どうも落ち着かない』という方がいました。
コーチングを学ぶ前は、明確な理由がわからなかったのですが、やはり聴く姿勢、
特にペーシングがまるでできていなかったのですね。自分の話したいことだけを
ガーッとまくし立てるのが9割。こちらが話し始めると、顔も見ず、体を斜めに
向けたまま、話の内容やペースに関係なく、首をカクカク振るあいづちを打つ。
今思えば、なぜ落ち着かなかったのかが腑に落ちますね(苦笑)。



火曜日担当 新島マキコ


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