置き去りにせず
悟ること。
人生を達観すること。
もしそれができれば、素晴らしいことだ。
その境地で生きた人物は、きっと称えられ、尊敬される。
でも、その一方で、
その人物は、大きな悲しみを生んだはず。
偉大になってしまったその人物の陰に、置き去りにされてしまった人がいる。
おそらくそれは、偉人の身近にいた人。
その人たちの悲しみや寂しさは、その人たちの胸の奥に秘められたまま、
ついに日の目を見ることなく終わってしまう。
皆が偉人を賞賛する、その声にかき消されて。
悟らなくても、達観できなくても、
身近な人の悲しみを感じ取ることのできる人間でいたい。