鰤の部屋

鰤の部屋

数年の時を経て気まぐれに更新を始めたブログ。
ネタが尽きるまで、気が済むまで更新中。

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「俺、よく出会いを求めに行くんだ」

「ああ、ナンパか」

「ナンパ……。まあ、そういう理解でも良いかな」

「なんだよ、引っかかる言い方するなぁ」

「当たらずも遠からずって感じだと思って」

「ふぅ~ん。それで?」

「良い子と出会うんだけど、声をかけても答えてくれないんだ」

「無視か。そういうのって結構堪えるよな」

「最初から無視されているなら声なんてかけないさ。でもさ、最初に目が合うんだよ。そこで運命感じて声をかけるんだ」

「目が合ってからの無視か。それは更に……」

「ウサ子。カメ子。モフリーナにフワリーナ……」

「おいちょっと待て。それ、明らかに人の名前じゃないよな?」

「そうだけど」

「お前、何処で何をナンパしてるんだ?」

「ぬいぐるみショップだよ。俺、可愛いぬいぐるみが好きでな。でも、運命を感じても、相手が返してくれなくて駄目なんだ」

「つまりは店先でぬいぐるみに話しかけているのか?」

「そうだよ。ああ、女の子を口説いていると思ってたのか」

「いや、普通にそう思うだろ」

「相手が人だとは言ってないだろ。でも、最近さ、俺を気にしている人が居るのは確かだな」

「お、何だよ。あるんじゃん、運命の出会い的なのが。どうなんだ?どんな感じなんだ?」

「と言われてもなあ。何て言うか、凄く見られてるね。ジッと見てるんだ」

「熱い視線じゃないか」

「だろ? グサグサって突き刺さる感じでさ。最近だと、俺が店に入った瞬間から見てるね」

「お前それ、不審者か危険人物認定されてるじゃねぇか……」

 

 

 

 

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