麻布十番さんぽがまとめに入ろうとしている今。


この地で最高の坂に出会ったので、

坂図鑑を更新したいと思います。


日用品から飲み屋、イタリアン、パン屋。

ここを通るだけでなんでも揃う麻布十番商店街から

一本道を入ったところに、この坂はありました。

その名前を暗闇坂。

名前からして寂しい感じのする坂です。


それでは入って行きましょう。



ぶらさんぽ

入り口からしてこの雰囲気。

これが、あの華やかな商店街から一歩

入ったところにある坂なんです。

暗闇坂の由来は、まさにこの雰囲気からつけられました。

坂が暗くなるほど、

樹木が生い茂り、坂に覆いかぶさっていた坂だからついたこの名前。

ちょっと温度が低くなったかな?そんな感じすらする入り口。


ぶらさんぽ


上っていくと、

右側の塀が高い石垣になっており、

その上にはややさっぱりした木々。

さすがにこれくらいさっぱりした木だと、道を覆いつくすほどではありませんが、

間違いなく昔の面影が残っています。

さらに、道は大きく左へ曲がり先が見えなくなっています。

この湾曲具合も、かなりいい感じ。


ぶらさんぽ

坂の中腹まで来て、左へ曲がると

寂しい雰囲気はさらに高まります。

見通しが悪く、急な勾配からか、幽霊や妖怪が出ると

いう噂さえあったようです。

寂しい坂に幽霊はつきもので、全国に幽霊坂などの坂は

ありますが、

この坂は今まで出会った幽霊系の坂の中でも

1番に幽霊の出る“におい”がしました。

あ、ただの雰囲気だけですけどね。

現代においてもひょっこり出てもおかしくありません。


しかもwikipediaによると、

追い剥ぎなどが行なわれる坂だったよう。

こちらは妖怪や幽霊よりももっと厄介。

追いはぎって言葉、人生で3度目くらいに聞きました。

きっと細い道で、途中で曲がっていることから

追いはぎもしやすかったのでしょう。


さて。

坂も終盤。

1番上で、今上ってきた坂を振り返ります。

この石垣、いつの時代からあるのかは不明ですが、

江戸時代にはこの区画に「増上寺隠居」が住んでいたそう。

(以前ご紹介したgoo マップを参照しました。)

区画が同じということは、この石垣は当時からのものと考えてもよさそうですね。


ぶらさんぽ

いずれにせよこの石垣が、

暗闇坂の寂しさと、その魅力を引き立ててくれています。


ということで、いかがだったでしょうか、暗闇坂。

写真には写らない、

麻布十番の中でやや異様ともいえる雰囲気は、

実際に訪れてみて肌で感じてみてください。

ちなみにはっぴぃえんどっていうバンドが

「暗闇坂むささび変化」という歌を歌っているよう。

異常に聞きたくなってきました。




最後にこちらの坂の頂上には、

江戸名所図会にも記された、「麻布一本松」が

今でも立っています。


ぶらさんぽ

松にしてはまっすぐに伸びたその幹が、

立派でした。


ということで、以上暗闇坂でした。