脚本 ブリジット・オコナー、ピーター・ストローハン
原作 ジョン・ル・カレ
撮影 ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集 ディノ・ヨンサーテル
出演 ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ
ジョン・ハート、トビー・ジョーンズ、マーク・ストロング
2011年 イギリス/フランス
東西冷戦の1970年代、イギリスの諜報機関Mi6(軍情報部第6課)内部で、
KGB(ソ連国家保安委員会)に情報を流すために暗躍している2重スパイ(もぐら)
捜査の任を、政府から受けた元MI6幹部が活躍する推理サスペンス。
原題の「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の意味は、
もぐらではないかと疑われている、3人のMI6幹部のコードネームで、
原作を読んだことが無い人には当然理解できないので、
日本では[裏切りのサーカス」と改題して公開されましたが、
サーカスがMI6の通称名であることも、映画を観なければ分からず、
単純に[裏切りのスパイ」とか「2重スパイを探しだせ」のような、
一般受けするタイトルにすれば良かったんじゃないかと思いました。
本作のレビューを読んでいると、映画のタイトル以上に映画の内容も
難解だったようですが、頭を使わなくて済む、体感型のアトラクション映画に
慣れてしまっている観客には、派手なアクションやバイオレンスがない、
読み解いていくように謎を探っていく平板な展開に、特に予備知識なしに臨めば、
緊張感を保つことが出来なくなるのは、仕方が無いことなのかもしれません。
ただ、1度観ただけで理解できなくても、犯人を知ってから見直してみると、
細部まで張り巡らされた伏線が鮮明に見えてくるので、ビデオで鑑賞することを
お勧めします。
原作者のジョン・ル・カレは、スパイ小説の第一人者で、エドガー賞受賞作「寒い国から
来たスパイ」「リトル・ドラマー・ガール」「テイラー・オブ・パナマ」「ナイロビの蜂」等
多くの作品が映画化され、81歳の現在も現役で活躍しています。
処女作の「死者にかかってきた電話」他本作のスマイリーを主人公にした小説は、
現在まで5作執筆されています。
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