アーティスト | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう



人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

監督・脚本・編集 ミシェル・アザナヴィシウス

撮影 ギョーム・シフマン

音楽 ルドヴィック・ブールス

編集 アン=ソフィー・ビオン

出演 ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ、アギー

    ジョン・グッドマン、ジェームズ・クロムウェル

2011年 フランス


今年のアカデミー賞は、本作とマーティン・スコセッシ監督作の、

サイレント時代の先人たちをリスペクトした2作品が最優秀賞を競いましたが、

世界初のSF映画「月世界旅行」のフランス人製作者ジョルジュ・メリエスを

描いたスコセッシのアメリカ映画よりも、ハリウッドのエンターテインメントを

描いたフランス映画の本作に軍配が上がりました。

映画は、声(トーキー)と色(カラー)を得て、より現実を描くことが出来るようになりましたが、

映像表現が簡略化されることで、作り手だけでなく、観客からも想像力を奪う結果に

なってしまいました。

トーキーになっても、名監督の多くは、言葉に頼らない独自の映像表現で、

数多くの名作を生み出していますが、言語(シナリオ)を映像化している作品が

殆どの現状では、そこから映像に対する新しい可能性が生まれる余地はありません。

何よりも一番の問題は、言葉によって映像に国境を生み出してしまったことでは

ないでしょうか。

この映画で一番貢献したのは、主人公のペット犬役のアギーで、

言葉を話せなくても、何のハンデも無い事を証明してくれています。


人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら
  アギーとジャン・デュジャルダン


※ アギーは、カンヌ映画祭パルム・ドッグ賞(その年のカンヌ映画祭出品作に

出演して、優秀な演技をした犬に贈られる賞)や第一回ゴールデン・カラー賞

(その年の映画やTVに出演して、最も優れた演技をした犬に贈られる賞)を

ダブル受賞しています。


アーティスト コレクターズ・エディション [DVD]/ジャン・デュジャルダン,ベレニス・ベジョ,ジョン・グッドマン
¥4,935
Amazon.co.jp


映画(全般) ブログランキングへ