監督・脚本 ラース・フォン・トリアー
撮影 マヌエル・アルベルト・クラロ
編集 モリー・マーリーン・ステンスガード
出演 キルステン・ダンスト、シャルロット・ゲンズブール
キーファー・サザーランド、シャーロット・ランプリング
2011年 デンマーク
腐敗しきった世界に生まれてきた事に対する無常心が、
生命の源である女性に対する憎悪となり、その捌け口を映画という形で
表現してきたミソジニストのラース・フォン・トリアー監督。
惑星メランコリアの衝突で消滅する地球の前夜を描いた本作は、
監督自身の鬱病治療を兼ねて製作されたように、主人公の女性と対峙していた
過去のサディスティックな作風と一線を画しており、盛大な披露宴に虚しさを
覚える繊細な花嫁に自分自身の姿を投影させています。
無を受け入れる事で恐怖を克服した花嫁が、全裸になってメランコリアが放つ光を
浴びて至福感に浸る場面に象徴されるように、監督自身が「ある種のハッピーエンド」と
語っている惑星メランコリア(女性)に飲み込まれる地球(監督)の映像で、
母体回帰(やすらぎ)を表現したかったのではないでしょうか。
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