ハンナ | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう


人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

監督 ジョー・ライト

原案・脚本 セス・ロックヘッド

脚本 デヴィッド・ファー

撮影 アルバン・A・カルチャー

音楽 ケミカル・ブラザーズ

出演 シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット

2011年 アメリカ


ジェーン・オースティン『プライドと偏見』とイアン・マキューアン『贖罪』の

映画化で非凡な才能を認められた若手映画監督ジョー・ライトが、

今までの文芸路線から逸脱して、アクション映画に挑戦した話題作。


『つぐない』(『贖罪』の日本での映画タイトル)の シアーシャ・ローナンと

再びタッグを組んで、敵役にケイト・ブランシェットをキャスティグしているので、

エポックメーキングな作品を期待していましたが、ローナン演じるハンナが、

『キック・アス』のヒット・ガールと『ボーン・アイデンティティー』のジェイソン・ボーンを

掛け合わせたような少女で新味が無く、監督がインタビューで答えているように、

ハリウッドのアクション映画と違うテイストで作ろうとした想いとは裏腹に、

悪い意味でのハリウッドテイスト満載のアクション映画に仕上がってしまいました。


人間的感情を抑える訓練を受けて、殺人マシーンとして父親に育てられたハンナが、

逃亡中に知り合うアメリカンファミリー(ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身の

名優オリヴィア・ウィリアムズとジェイソン・フレミングが父母役)と交流するエピソードの

中で、理性の持つ意味や暴力に対する何らかのメッセージが発せられるのでは

ないかと期待しながら観ていましたが、ストーリーを進めるだけの登場人物だけに

終わってしまったのが残念です。


監督は次作に、冷酷な少女“ハンナ”に懲りて、叶わぬ恋に身を滅ぼす“アンナ”が

ヒロインのトルストイの『アンナ・カレー二ナ』を映画化するそうで、

一字違いで大違いとなりますかどうか乞うご期待!


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