監督・脚本 ミケランジェロ・フランマルティーノ
撮影 アンドレス・ファエフリ
出演 ジュゼッペ・フーダ
2010年 イタリア/ドイツ/スイス
本作は台詞もBGMもなく、四つのいのち(牧夫、山羊、大木、炭)の
生命のサークルを形作る様が、神の視線から俯瞰で捉えられます。
イタリア半島の先端に位置するカラブリア地方の山村に住む人々が、
自然のリズムに合わせて生きている姿を、ドキュメンタリータッチで
描いた映像が素晴らしく、フィルムに焼き付けられたゆっくりと流れる時間が、
人間の傲慢さを
戒めてくれます。
『ブンミおじさんの森』『ツリー・オブ・ライフ』そして『四つのいのち』。
東日本大震災の年に、命を扱った傑作とまた出会えた事の驚き!
文明の転換期を迎えている現在、本当に成熟した社会とは何かを
考えさせてくれた映画でした。
因みに、非公式ですが、カンヌ国際映画祭で2001年から映画に登場する
犬に対して与えられる、パルムドールをもじったパルムドッグ賞が
設立されましたが、本作に登場する牧夫が飼う犬が、
その微笑ましい迷演技?が認められて審査員特別賞を受賞しました。