ネスト | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう



人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら
監督 ルイス・ベルデホ
原作 ジョン・ コナリー
脚本 ジョン・トラヴィス
撮影 チェコ・ヴァレス
音楽 ハビデル・ナバレテ
出演 ケビン・コスナー、イバナ・バケロ、 サマンサ・マシス
2009年 アメリカ

AMAZONから無償提供された、下部に録画のタイム表示が
入っているサンプル品による鑑賞。

21世紀に入ってから低迷が続くケビン・コスナーの主演で、
10年に一本の駄作「REC/レック」の脚本家の初監督作なので、
最初から期待はしていませんでしたが、こんなに怖くないホラー映画も
最近珍しく、昔懐かしい『大アマゾンの半魚人』を代表するモンスター物を
見る緩さで、サスペンスとしての緊張感もありませんでした。

妻との離婚を切っ掛けに、サウスカロライナ州の田舎町にある、
人里離れた一軒家に転居してきた父親に対して、
快く思っていない思春期の娘が、裏庭にある巣窟(ネスト)の影響で怪物に
変貌していく様を、父親との確執とダブらせて見せていくのですが、
『ボディガード』『アンタッチャブル』等で強い男を演じて来たケビン・コスナーに、
娘を守ってやれない頼りない父親役を演じさせたのは、
911以降、テロに脅えるアメリカの自信のなさを、この父親に
反映させ様としたのかもしれません。

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

『パンズ・ラビリンス』で無垢な少女を演じたイバナ・バケロが、娘役で
出演しているのを知ったのが観る切っ掛けだったのですが、
成長した彼女からは、あの頃のオーラがすっかり消えていて、
喩えれば、大事に心の中にしまっていた初恋の人のイメージを、
時の非常さによって壊されてしまったやるせなさを味わったと
表現すればいいでしょうか。
前作同様、怪物によって悲劇を迎える少女の役を演じていますが、
観終わった後に、愛おしさを全く感じることが出来ず、後味の悪さだけが
残った映画でした。

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