グリーン・ゾーン | 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

ネットの海を漂う吟遊詩人になって
見知らぬあなたに愛を吟じよう



人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

監督・脚本 ポール・グリーングラス

脚本 ブライアン・ヘルゲランド

原作 ラジャフ・チャンドラセカラン

音楽 ジョン・パウエル

撮影 バリー・アクロイドB.S.C

出演 マット・デイモン、エイミー・ライアン、グレッグ・キニア


イラク戦争開戦の発端となったイラクが大量破壊兵器を
隠し持っているとされた問題は、その後存在していないことを
ブッシュ元大統領自らが認め、その矛先は、事実と異なる情報を
捏造し、国防総省の機密文書として流したフェイス元国防総省
政策次官個人の罪に納めてしまったアメリカ。
本作は、アメリカの汚点となった「大量破壊兵器捏造」問題に
スポットを当てた作品で、大量破壊兵器を探す極秘任務に
就く部隊長ミラー(マット・ディモン)が、国防総省が流す情報に
疑念を抱き、国防総省バクダッド駐在の高官バウンドストーン
(グレッグ・キニア)に情報を流している謎の人物マゼランに、
単独で接触しようと試みるが、それに気づいたバウンドストーンが、
口封じにミラーとマゼランの抹殺を指示して、追いつ追われつの
手に汗握るクライマックスへと突入していきます。
このように、事実に基づいた内容になっているので、バウンドストーンは、
明らかにフェイス元国防総省政策次官をモデルにしていますが、
内容は、部隊長VS国防総省高官の対決をメインにした「ボーンシリーズ」の
乗りで作ったアクション映画に仕上がっているので、
アメリカの政治の中核まで踏み込んで、本当の犯罪者を究明するまでに
至っていないのが、ハリウッド映画の限界でしょうか。

人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら 人力飛行少年の肉体を脱ぎ捨てたなら

バウンドストーン国防総省高官(グレッグ・キニア)       
  フェイス元国防総省政策次官 

とは言え、イギリス陸軍による非武装の北アイルランド市民14名射殺事件
扱った「ブラディ・サンデー」や、911事件で、ハイジャックされた航空機の
機内の様子を再現した「ユナイテッド93」のポール・グリーングラス監督が
手がけた作品だけあって、最後にイラク人に「あなた達に、この国のことは
決めさせない」と自分の主張を代弁させています。
アメリカは、現在もイランや北朝鮮に対して、イラクと同様の対応で圧力を
かけていますが、アメリカ発の情報操作に陥らないように、
常に疑念の目は持ち続けなければと、思わせてくれる映画でした。

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