おふくろ食堂 | 1分で読める!超ショート笑説

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ショートコントみたいな超短編小説です。

営業マンが、昼食を取ろうとウロウロしていた。

田舎町でそう安易には見つからず。駅のほうに向かうと食堂の看板が見えてきた。


「おふくろ食堂」


北風にヒラリと、のれんが揺れている。

安堵の笑みを浮かべ男は、この店に決めた。


「いらっしゃい」


年配の女が、一人で切り盛りしているようだ。

客は男ひとりだった。閑散としている。


壁のメニューに目をやり注文する。


「おばちゃん。おふくろ定食ちょーだい」


「あいよっ」


数分後・・・・・・


「はい。おまたせ」


盆にのせられたものを見て、男は眉をしかめた。


「え、なにコレ?ご飯とめざし・・・だけかよ」


「しょーがないだろ。父ちゃん出てって帰ってこないんだから。今日はこれでがまんしとくれタカシ」


「はあ?なに言ってんの?おれタカシじゃねーし」


「もうっ!そんな文句あんなら食べなくていい!!よその子になりなっ!」


「・・・・・・ごめん母ちゃん。おれ、あしたから働くよ」


「いいよ。あんたはしっかり勉強をして、大人になったらうーんと母ちゃん楽さしておくれ」


「うん!母ちゃん。おれがんばるから!・・・・・・なにコレ?そんなドラマティックな演出いらんねん!!」


の後。かといって他に店も見つからず、男はおふくろ定食をペロリ、五分で完食した。

がしかし、営業がうまくいかないとき、ここへやって来るようになった。

「ただいま母ちゃん!」

「おかえり。いつものでいいね」

「うん!」


お腹より心が満たされるようだ。





----Fin----



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