渡部暁斗の強さは、日本のノルディック複合における最大の快挙だね
本物だよ

解説の荻原健次が中継中に絶叫した理由もわかる

それは何だったのかわかりますか?

The king of Ski (最強のスキー) それは飛んで・走る という、全く異なる種目で秀でることです

アルペンも凄い競技です 滑降・大回転・回転 でも得手不得手はあっても同系列の種目が並んでいますよね(滑降は少し選手層が限定的ですけど)

荻原健次はかつて、この種目の常勝選手として、世界に君臨し続けました
しかし、ノルディックスキーの発祥は欧州・北欧です

ノーマルヒル・ラージヒルのジャンプもオーストリアです

サッカーについても考えてください
やはり発祥は欧州・南米で、「日本選手が勝つことは不本意である」との声が聞こえてきます

日本人選手が勝つたびに、ルール変更が行われ、荻原健次選手も、これに苦しみました

しかし、渡部選手は、欧州に有利なルールをもってして、銀メダルを取ったんです
これ、凄いですよね

欧州を圧倒した 本当の快挙です!



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かつてキング・オブ・スキーと呼ばれた一人の日本人がいた。1990年代スキーノルディック複合競技で世界の頂点に立っていた荻原健司である。元々、ジャンプとクロスカントリーを併せた複合競技のチャンピオンの発祥の地の北欧ではキング・オブ・スキーと呼んでいた。その名の通り、最強のスキーヤーを示す言葉である。それはワールドカップでは史上第2位の通算19勝をあげて個人総合で3連覇、世界選手権でも2度の優勝を果たした荻原に相応しい称号でだった。

馬県草津に生まれた荻原は、幼い頃からスキーを日常的に使用していたが、小学校5年の時に地元の少年団に入ってジャンプを始め、中学時代に早くも複合競技に入っていく。1987年、1988年と2年続けて世界ジュニアに出場し、2年目には16位の好成績をおさめ、その後シニアの日本代表にも名前を連ねるようになっていった。
1972年の札幌オリンピックの70m級で表彰台を独占したお陰もあって、ジャンプ競技は人気だったが、同じノルディックでもクロスカントリーやクロスカントリーとジャンプを合わせた、ノルディック複合は一般の人にはほとんど知られていなかった。だが荻原がシニアの選手として活躍し始めた頃、日本のノルディック複合競技にエポック的な出来事が起こる。1991年に行われた世界選手権で、阿部雅司、三ケ田礼一、児玉和興の日本チームが団体で3位になったのだ。日本ではあまり注目されなかった出来事だったが、北欧の国々のお家芸のこの競技で、日本が表彰台に登ることは世界的にも快挙だった。

そしてその翌年1992年に行われたアルベールビル・オリンピックで、荻原を含めた日本チームは見事金メダルを獲得した。荻原自身も個人で7位に入り世界のトップ選手の仲間入りを果たした。荻原は当時ジャンプでは主流になりつつあったV字ジャンプをいち早く取り入れ、元々得意だったジャンプの飛距離を更に伸ばし、その圧倒的アドバンテージを生かして苦手のクロスカントリーでの力を差を補ったのだ。
日本の多くの人が知らなかったノルディック複合という競技でのいきなりの金メダル。この金メダルで日本でも荻原の名前が一気に知られるようになった。
そしてノルディック複合の世界に荻原の時代がやってくる。圧倒的なジャンプの飛距離を武器に、この年から3年連続でワールドカップ個人総合で3連覇を果たし、1994年のリルハンメル・オリンピックでは2度目の団体の金メダルを獲得する。だが、荻原の本当の武器は、「新人類」とも「宇宙人」とも言われた、何事にも動じないメンタルの強さだったのかもしれない。単身ノルウェーでトレーニングを重ね、大切な試合でプレッシャーに負けることのない、そうしたメンタルの類まれな強さが、彼のキング・オブ・スキーに押し上げたのだ。

その後荻原の圧倒的に強さに、それまでよりジャンプでの加点を下げ、クロスカントリーの強い選手が優位にするルール改正が行われ、荻原は厳しい戦いが続いた。 1998年、日本選手団長を務めた長野オリンピックでは、期待されたメダルこそ届かなかったものの、個人では4位、団体でも5位に入り、キング・オブ・スキーの面目を保った。
結局、荻原は2002年のソルトレイク・オリンピックまで現役を続け、10年に及ぶ国際舞台での活躍に幕を下ろしたのだ。
日本ではマナーな競技だったノルディック複合という競技をメジャーな競技に押し上げ、自らも孤高の世界王者、キング・オブ・スキーとして君臨した荻原の競技生活はチャレンジの繰り返しだった。

 

http://www.spopre.com/special/challenge133/01.html より引用