オービックシーガルズ戦記 | Bullseyes Blog

オービックシーガルズ戦記

ブルザイズ東京ファンの皆さま
4月24日に行われたシーガルズ戦
ご声援ありがとうございました。




下記、試合報告とさせていただきます。


【前置き】
こんにちは。ディフェンスコーディネーターの嚴です。冒頭から文章前半は厳しいことを書いておりますが、後半に良いことも書いておりますので、最後まで読んでみてください。



【試合概要】
春シーズンが遂に始まった。ブルザイズにとっては数年ぶりとなるX1再挑戦の初戦は、名実共にチャンピオンチームであるオービック・シーガルズ。代表クラスの選手が多く所属するチームに対し、我々の多くは大学時代も下部リーグ出身で、日本一争いを体験したことあるのは数名程度。しかし、アメフトは名前で勝敗が決まるわけではない。この試合、多くのブルザイズ選手にとって、今日までのアメフト人生で最もハイレベル且つタフな戦いとなった。


試合前、涙を薄く浮かべる選手さえいた。


試合は序盤からオービックペース。テンポの良いパスオフェンスで、レシーバーにパスが決まり続ける。挑戦者として前のめりに攻めるディフェンスをとっていたブルザイズの勢いをことごとくかわす上手さは、さすがの一言。オービックは今日までに2回しかショルダーを着用した練習をしていないとのことらしく、ある意味ブルザイズは「良い練習相手」としてペースを握られてしまう。ブルザイズオフェンスも、相手の強烈なDL陣の前にライン戦で圧倒され、ランプレーが全く出ずファーストダウンがとれない我慢の時間が続く。「戦い続ける」その意志を多くの選手が忘れかけてしまった前半が終わった頃、ハーフタイムに大社HCから激が飛ぶ。






「このままで家帰れるんか」







選手の目に再度火が付いた。




後半に入ると、オービックがメンバーを落としたこともあるが、徐々にディフェンスが機能し始める。パスを決められてもパシュートと寄りで粘るDB陣、体力的にバテても最後までハッスルし続けるDL陣、自分の二倍ほどあるOL相手に引かず、全てのプレーに絡み続けたLB陣。選手も立ち代り入れ替わりで、文字通り全員守備でオービックを後半2TDに抑えた健闘、そしてオービックに引くことなく戦い続けた経験は、間違いなく選手の財産として身体に残るだろう。


結局、総じてみると試合終盤まで殆どオービックの攻撃を止めることは出来なかった上に、守備を崩すことも出来なかったといっても過言ではなく、X1上位チームとの差をまざまざと見せつけられた試合ではあった。一方で、「これは出来る」「これは出来ない」の判断材料が多い試合となり、コーチとしては結果的に思惑通り収穫の多い試合であった。学生フットボールと違い、社会人は時間の制約がある。特にブルザイズは土日仕事の人間が多く、中々思うようにチーム作りが出来ない現状はあるが、秋までの目途はたったといえる。



【課題】
オフェンス・ディフェンス共にアサイメントの詰めが非常に甘く、自滅する場面が多くみられた。フットボールは「紙面上の約束事」は十分条件ではなく、必要条件。「紙面上の約束事すら守られていない」状況では全くもって話にならない。しかし、初戦ということもあり、ある程度詰めの甘さを割り切って秋に向けて完成させましょう、という共通認識がとれていたので大きな問題ではない。あまりチーム練習を出来なかった冬を経て、春から夏にかけてはより多くの選手に練習参加してもらい、チームとしての完成度をあげたい。


また、不足しているポジションの選手補充も急務。特に今回試合に出場し、9回のタックルでリーディングタックラーとなった#89高橋(京大)のような、入部を決定していないが試合に出場した有望な者が、どれだけブルザイズの今後の成長に同調してくれるかが鍵となる。加えて、各ポジション戦力が足りておらず、OL、WR、DBの増員は急務。ブルザイズは秋に向けて引き続き部員募集中です。ぜひ「アップセットでX1を盛り上げたい」という方がおれば、一度門戸を叩いて下さい。


【希望】
私がコーディネーターに就任する前、昨年の入れ替え戦をスタンドで観戦いた時に感じた「ブルザイズはタックルがへたくそなチーム」という印象が、今日の試合でガラっと変わった。正直、練習でも「本当にタックル出来るのか…」という一抹の不安を拭い切れないまま試合に挑んだのだが、ディフェンス選手は身体を張り続けてくれました。年上の方も多く、私はトップダウンのコーディネーターではないが、試合中集中し続け、コーディネーターの指示に耳を傾けつつも、「年下に負けてられるか」という気概のプレーを見せてくれた選手を見て、改めて「フットボールはカッコいい」とサイドラインで鳥肌が立っていたのはここだけの話。オービックRB望月を一人で仕留めきれなくても、全員で寄るフットボール。オービック相手にGL際でタッチダウンを許さなかった身体を張るフットボール。ブルザイズは強くなる。そう確信した後半でした。


オフェンスにしても、主将鈴木(国士舘大)の気迫溢れるワンハンドキャッチや、WR中村(京大)の異次元の身体能力を生かしたキャッチ等が随所で光り、X1でも通用する一つの形が見えた。怪我せず試合で投げ続けたQB内村(早稲田)と小原(京大)にも賞賛を与えたい。オフェンスラインも、全くオービックディフェンスに対して終始引くことなくファイトし続けた。彼らが秋にチームの核となり、毎プレーオフェンスを引っ張る存在として確立すれば、選手の内面的なエンジンは一段階上のギアで回り続けるだろう。


ディフェンス目線の文章となってしまいましたが…。



【最後に】
多くのサポーター、ファンの皆様に多くのご声援をいただき、本当に感謝してもしきれないほどの勇気を選手一同頂きました。そのスタンドを、たった一人で盛り上げ続けてくれた長谷川マネージャーの姿に鳥肌し、「ここまで人にエネルギーを与えられる人間に出会うことは本当に幸せだ」と感じたのも、一つ私のいい経験でした。


試合終了後の熊本への募金
責任をもって寄付させていただきます。
ありがとうございました。


【試合結果】
オービックシーガルズ 51-0 ブルザイズ東京


【次戦】
vs オール三菱ライオンズ
5月3日(火・祝)14:00 kick off
富士通スタジアム川崎





引き続き、ご声援お願い致します。