何か物事をする(成し遂げる)ときの考え方として、大きく二つのタイプに分かれると思います。
それをすることができる理由を探す人と、できない理由を探してしまう人です。
私も、かつてサラリーマンだった頃は、どちらかというとできない理由を探してしまうタイプでした。
…という制約条件があるから、できないのではないか?
…というリスクがあるから、やらない方がいいのではないか?
この方法でやってみるかな。いや待てよ、これがこうなったらどうしよう…。うーん、うーん…。
そういう考えのときは、やはり物事はうまく運びませんでした。
挙句の果てには、「景気が悪い」とか「状況が悪い」とか、自分の置かれている環境のせいにしたりするのです。
社長になって、このあたりの考え方が一変しました。というか、変わらざるを得ませんでした。
とにかくやるしかないんです!
やらないと売上がたたない、お客様に納得してもらえない、支払ができない、社員の給料が払えないんです!
↑このような経験は、社長としてすごく貴重なものでした。
そんな状況下では、悠長なことは言っていられません。
…という制約条件があるが、こうすることで条件をクリアできるんじゃないか
…というリスクがあるけど、こう工夫をするとリスクは減らせるよね
あれこれ悩んでいる時間がもったいないから、とりあえず行動してみよう
こういう風に、できるはずだと考えて物事に取り組むと、なんとかなるもんです。
そうやって何度か困難を乗り越えると、結局、物事は自分の考え方次第でどうにでもなるんだなと思うようになりました。
かつて私が、サイバーエージェントに入社したばかりの頃(ずいぶん昔ですが)、藤田社長とのこんなやり取りを覚えています。
何についてかは忘れたのですが、ネット上でのあるサービスについて、
「これって、携帯でもできるのかなぁ?」
と聞かれました。それまでの仕事の経験で、私は技術者としてのスキルも持ち合わせていたので、とっさに答えたのが、
「それは、技術的には難しいと思いますよ」
それを聞いて、藤田社長は、何も言わずどこかへ歩いていってしまいました
(あれ?どうしたんだろう?怒ったのかな?)
と感じたのを今でも覚えています。
彼は多分、社長として、そんな答えを求めていなかったのだと思います。
「できるかどうか今すぐには分かりませんが、調べてみます!」
「なんとかできるように考えてみます!」
というような頼もしい答えを、社長なら誰でも待ち望んでいます。それが今ではよく分かるんです。
話を戻しますが、学校で一生懸命勉強をした真面目な人ほど、できない理由を探してしまうタイプになってしまうのではないかと私は思っています。
学校の勉強で、間違わないように、間違わないように、と繰り返した結果、「どうやったら間違わないか」ということばかりに注目してしまって安全な方法のみを選択し、新しい方法を試すとか、リスクを冒すことができなくなってしまうのです。
実はこれが現代教育の大きな問題点で、この現状をなんとか改善しなければ!と、以前より考えていたりもします。
まあ、私のライフワークになるのでしょうね。
とにかく何をやるにしても、それがやる価値のあるものなら、私は常に「できる理由を探す」ことを心がけています