ラップ紹介:パート3 | ブラウンの熊たち

ブラウンの熊たち

ブラウン大学在学中の日本人学生(熊たち)がブラウン大学のクレイジーな日常生活をあなたに届けるぜ!



今日は火曜日なのでクラスが1時からで一個しかなかったです。
月水金は9時からなので火木は寝てない分寝るチャンスです。

友達と教室に入って、バスケの話をしてました。
そしたら彼がトイレに行って、僕が一人になったから音楽聞こうかと思って、イヤフォンを耳に入れました。
しばらくしたら「何聞いてるの?」って知らない声が聞こえました。アフリカ学入門のティーエーでした。
「The Rootsって知ってる?」と答えました。
「うん、大好き!どの曲?」
そこからティーエーとラップの話をしはじめました。実は音楽の趣味がすごく合っています。
好きなラッパーの話をして、ラップについて書く気になってきました。

ということで、今回もラップを紹介したいと思います!

今回のテーマはソウルフルな曲を作るラッパーです。
ソウルフルって「R&Bの影響が強い」という風に受け取ることもできるけど、
感情がいっぱいこもっているラップとか、思ったことを思いっきり伝えようとしているラップとかも入ると思います。



Brother Ali

Brother Aliはアルビノの白人なんだけど、音楽だけ聴いたら黒人の牧師かという思うような声です。
それは偶然ではなく、彼の育ちに理由があります。
アルビノということで白人のクラスメートに軽蔑されて、
若いころから黒人といた方が居心地よかったらしいです。

Brother Aliはいろんな問題についてラップをするけど、
結局ポジティブなメッセージに持っていきます。
ソウルフルなビートの上に彼の上向きな歌詞がのると、結果は毎回すごいです。
しかもソウルフルなビートだけじゃなくて、いろんな種類のビートを使っています。
何よりも単にラップがうまくて声が非常にいいからとても聞きやすいラップです。
ちょっとだけ聞いても必ず何かを学ぶ、何かを疑うようになる、そういう考え深いラッパーです。

おすすめの曲をリストアップするだけではなく、今回は各ラッパーの一曲を選んで内容についてちょっと書きます。


Forest Whitaker
この曲では自分の悪いところばかり言っています。
太ってるし、アルビノだから肌が不気味な白だし(彼の言葉)、洋服がださいかもしれないけど、そんなのどうでもいい。
俺は自分が大好きだからあなたが何言おうとしても気にしない。
大事なのは中身だから浅い友達はいらない。だって。

初めて聞いた時からこの人は他のラッパーと違うなと気づきました。
ラッパーでこんな曲を作る人は中々いないです。
自信満々の態度で、「これだけお金があるぜぇ」みたいな超つまんない歌詞が多い中、これは特別だなと思いました。








Talib Kweli

Talib Kweliはニューヨークアクセントがあって、独特な声の持ち主です。
一瞬聞くだけでわかるような気がしますw
ずっと前から知っているんだけど、最近もっと聞きたくなってきました。
黒人の人々、特に女の人、のアメリカでの奮闘についてラップすることが多いです。
単に「つらいだろうけど努力すればなんとかなる」みたいな受け身なメッセージではなく、
聞いてると動きたくなるような、頑張りたくなるような気持ちになって、
つらいことについてラップしてるのにいつも元気づけられます。


「美しさ=白い肌」になってしまった社会の中では、茶色い肌も、というか何色の肌でも美しいと主張する曲です。
黒人の文化でも淡い茶色の肌の方が美しいと言われたり、白人のようなまっすぐな髪の毛の方がきれいだと言われたりします。
そういう西洋人の価値観にとらわれないで、黒人(有色人種)の人々の美しさを認めるべきだというメッセージがあります。
とても有意義な歌詞だと思いました。







Big K.R.I.T.

Big K.R.I.T.は割りと最近人気になってきたラッパーです。
J. Coleみたいに、自分の曲の90%以上を自分でプロデュースしています。
そしてJ. Coleみたいにビートとメロディーのセンスがすごいプロデューサーです。
アメリカの南方のラップの聞きやすくて楽しい感じを保ちながら、考え深いラップをつくる人なので珍しいです。
それにインタビューを見たら本当にしっかりしてそうな、優しい人に見えますw
冬に彼の次のアルバムが出るので楽しみにしています!


Bigger Picture
最初から最後まで彼女との関係をアートに例えています。
本当に創造的な歌詞だと思います。
"I wish you saw the bigger picture"という歌詞がサビに出てくるんだけど、
big pictureというのは大局的に何かを分析するという意味があります。
彼女は「木を見て森を見ず」という態度になってしまっていて、
彼との関係を見るときに、もっと視野を広げてほしいと彼が言っています。
しかもpictureという言葉が表現に入っているのでアートの比喩を強くしてます。
"Beautiful and modern all the same / But what's a photo if it's out of frame"という歌詞もあるけども、
彼女との愛が美しくて古い絵と同時に、モダンで抽象的な絵でもある。
しかし彼女が見ている絵は的外れになっていて、彼が見る美しさは彼女には見えないという意味です。
聞いてていろんなアートの引用を聞き取るのが楽しいし、力のある比喩だと思います。



良かったら聞いてみてくださーい
では、また来週!


*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^*^

1クリックよろしくお願いします!