判明することが良いか悪いか?だが、以下のニュースをご紹介。


乳がんリスク遺伝子診断、親族と比較 日本でも開始

2007年08月20日09時51分

 自分が遺伝的に乳がんや卵巣がんになりやすいかどうかを調べる検査が国内で受けられるようになった。国立がんセンターなどの臨床研究で、米国で普及してきた遺伝子検査の有効性が確認された。リスクが高いとわかれば検診を欠かさないなどの対策がとれる。ただ、将来の発症におびえることにもなりかねないため、精神的サポートを含めた遺伝カウンセリングが必須条件となる。

 両親や兄弟姉妹らの血縁者内で多く発症しているがんは「家族性腫瘍(しゅよう)」と呼ばれる。このうち乳がんや卵巣がんの一部には、「BRCA1」「BRCA2」という遺伝子の変異が原因で起こるものがある。

 この遺伝子を血液から採取し、変異の有無を調べる検査は米国で約10年前から一般に行われ、のべ約100万人が受けている。変異がある人は将来、5~8割が乳がんに、1~3割が卵巣がんになるとされている。

 この検査が日本人にも有効かどうかを調べるため、国立がんセンターほか4病院(癌研有明病院、聖路加国際病院、慶応大病院、栃木県立がんセンター)が03年から臨床研究を実施。家族性の乳がん・卵巣がんが疑われた計135人のBRCA遺伝子を調べた。

 変異があったのは36人(27%)。血縁者の乳がんの発症年齢が若い場合に変異率が高いなど結果は米国の傾向とほぼ同じで、研究の総括責任者をつとめた栃木県立がんセンターの菅野康吉医師らは、日本人にも検査は有効と判断した。

 検査を受けたい人は、まず乳がんや卵巣がんの病歴がある血縁者の情報を医療機関に提供。家族性腫瘍の疑いが強いと判断されれば受けられる。血縁者と本人のBRCA遺伝子を調べ、遺伝的な発症リスクが高いかどうか診断される。

 検査会社ファルコバイオシステムズ(京都市)が検査の特許をもつ米企業と提携し、遺伝カウンセリングの態勢がある医療機関にサービスを提供する。遺伝子検査の費用は1人38万円、血縁者は6万円。すでに関東、東北、中部地方の6医療機関が同社と契約しているという。

 検査を受けられる医療機関名などは同社(電話075・257・8541)へ。

 〈日米で遺伝カウンセリングの経験がある田村智英子・お茶の水女子大准教授の話〉 自分ががんになるリスクを知って納得する人もいれば、ショック状態になってしまう人もいるだろう。検査を受けるメリット・デメリットは人によって異なり、自分にどんな意味があるのかをよく考えて判断してほしい。国内にはがんの遺伝相談に乗れる医師やカウンセラーが少なく、検査を受ける人を支える態勢づくりも必要だ。