日本製菓製パン新聞のブログ

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日本全国のパン屋さんに役立つ情報をお届け!

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-本日はお時間頂戴してありがとうございます。またいつも茜丸のあんこをたくさん使っていただいて、大変有難う御座います。

現在茜丸ではベーカリーショップ開業.NETというパン屋さんの開業を目指す人向けの情報サイトを運営しています。
どうしてもパンの焼き方を教えてくれる人や学校はたくさんあるんですが、パンの商売について情報を提供する場所というものはとても少ないと思います。
とりわけ本日は、立地選定のノウハウなどについてお話を伺えたらと思います。

伊原社長:ていうかほとんどノウハウらしきものはないんだけどね。なんでかというと二代目で、もともとこの場所に「マルミヤ」というパン屋があったの。
それを改装したのがツォップの始まりです。だから、私自身にとって、どんな商圏がいいとか悪いとかとくに考えていません。

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-そうだったんですね。不勉強で知りませんでした。しかし、普通の街のパン屋さんというものは商圏がとても狭く立地については慎重に考える
必要があると私は考えているのですが、社長はどうお考えですか?

伊原社長:立地の商圏が悪いと思うなら、遠方からお客様が来てもらえるように、大商圏化できたらいいと思いますよ。
たとえば創業以来取り組んでいることとしては、ホームページの更新やブログなどはできるだけ頻繁に更新して宣伝するようにしています。
それと、やっぱり個性。ここにしかないものを作っていく努力が大事だと思います。

-私も、ベーカリーショップのオーナーさんとお話するときにフェイスブックやブログの重要性については都度都度お話ししているのですが
なかなか御理解いただけません。なるほどね~とは仰っていただけるのですが実際に、ネットマーケティングの努力をされる方はとても少ないです。

伊原社長:まず、たとえパン自体が美味しくなかったとしても、パンの作り手について興味を持ってもらうきっかけがあったら訪問してもらう
きっかけにはなると思うんだけどね。ネットで自分のことを語ることにたいしてパン屋の職人が億劫がるのかというと、
多分、自分のことをパンの作り手と思ってるからじゃないかな。実際には、パンを作って、接客して、売るまでが商売だよね。
職人意識が強すぎる作り手は、売るということに対して意識が弱い。

-先日も、富山県のパパぱんの店さんというお店に伺ったのですが、似たことをおっしゃっていました。

伊原社長:だから、接客は大事にしています。ダメなパン屋のパターンというのは作り手が「作ってやっている」という態度を接客販売
サイドに出すパターン。これは絶対にダメ。いつも若手に自分が教えているのは、「売ってもらっている」という意識をもつようにということです。

-残念ながら、ご主人が作って奥様が販売するというパターンのショップさんの場合は、作ってやっているになっているお店がとても多いのです
また、奥様も接客に対する意識が低く、フード業界の中でもベーカリーショップは接客の平均値が低い気がします。

伊原社長:そんなんだったら、奥さんに任さないほうがいいと思いますよ。それとベーカリーショップならではの接客の難しさというものがあると
よく思います。例えば、レストランなら、失敗しても挽回するチャンスはいくらでもあるけれど、ベーカリーの場合は一期一会それっきりのことが
大部分です。30秒のなかで、確実に、幸せな気分になって帰ってもらわないといけないという難しさがあります。

-スタッフさんは何人いらっしゃるんですか?

伊原社長:約40人です。そして数人のみがパートです。38人くらい正社員を抱えていることになります。

-それは凄いです。でも繁盛店ほど正社員率が高いんですよね。これはひとつの法則性といえるかもしれません。

伊原社長:能力が高いスタッフを登用していたら自然とそうなっただけですけどね。

-そんなにも正社員のスタッフさんが多いということは、商品開発などもスタッフさんの発案などがあるんですか?

伊原社長:それはありません。なぜかというと、B'zopfは自分の店だから。自分の個性を強く出す店だと思っていますから。


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--B'zopfさんといえば、ハード系中心のイメージでしたが、店頭に行ってみますとそんなことありませんね。
商品の中でこれを売りたいというものはありますか?

伊原社長:多分、オシャレな雰囲気に見えるから雑誌だとハード系を中心に撮影したりするのでそのイメージがあるのかもしれません。
何を売りたいというのは特にありません。むしろいろんなお客様に、幅広く対応することが大事だと思っています。そのため、商品を廃版にするということが
少ないです。たとえば、バターリッチとアップルパイはマルミヤ時代からの商品です。現在ではアイテム数は300を越えますし生地の数も
数十にもなります。

-300はすごいです。スタッフさんにも能力が要求されますね。

伊原社長:いえ、急に300なら大変ですが、少しずつふえて300なので、無理なことをしているつもりはありません。

-お父様が、ベーカリーショップを創業されたということでしたが、引き継ぎの苦労はありましたか?

伊原社長:そりゃすごかったですよ。店名を変えて改装することを伝えたのは、直前だったんだけど
父親が怒って家出したくらいです(笑 でも現在は父は78になるし、完全に任せてもらってますけどね。
結局、自分が結果出したからかなと思います。