無題。 | 勇々自適。

勇々自適。

役者、鈴木洋平君が日々のよしなしごとを語っている様ですよ。

昨年、『真夏の夜の夢』の公演を中止した後。

僕はずっと無気力でした。ずっと。


必要最低限の挨拶や、各セクションへの連絡以外は全て主宰側に任せ、作品に対する思考を極力なくしていたのです。


少しでも作品のことを考えると、涙と後悔と罪悪感みたいなものが押し寄せてきて吐き気を催したから。毎日死にそうでした。


多くの出演者から労いや感謝の長文のラインを頂いておりましたが、どれにも返信はしませんでした。それは今も。本当にごめんなさい。


軽い鬱みたいな状態だったのかもしれません。

が、日常生活は変わらず慌ただしく進みます。


毎日の講師業と、昨年の出演連戦は僕に真夏の悪夢を忘れさすには充分な忙しさで、しばらくして心身とも健全な状態には戻れていたと思います。



かくして、今年の『真夏の夜の夢』再上演に向け、動き出しました。


僕の心や身体はおそらくまだ昨年のアイホールに浮遊したままで、正直この作品の始動に関しても心と身体が鈍いままなのが実状でした。


オーディション当日。

本当に沢山の方々が受けて下さり、沢山の新しい可能性を見出だせました。

これは紛れもない事実です。


しかし、当日。

僕の心の大半を占める感情は「哀しみ」だったのです。


もう、あのメンバーでは出来ないんだなと、改めて痛感してしまったから。


本来の人間的な部分では、僕は去年のキャストを極力拾い、作品の再構築を狙うのでしょう。

しかし、それは一つのピースでも欠けていたら何の意味のないことなのです。

ずっと僕の心は浮遊したままでした。



数日間ずっともやもやしてた僕に、ここ数日、いろんな刺激が目覚めさせてくれました。

それに関してはまたいつか語ります。



結論として言えることは。

今年の『真夏の夜の夢』は再演ではなく新たなる物語を紡ぎいきます。

その為の布陣を引く上で、僕はやはり情よりも実を取りにいかなくてはならない。

哀しいけど、悲しいけど、かなしいけど。


それを乗り越えて作品を届けたいと思います。


少しの心の痛みを抱えたまま。

それを振り切る様な作品にしたいです。


いや、必ず、します。