さて、こないだの書類準備編のつづき、勉強編です。

書類の準備はいつもながら厄介で

時間もかかりすごいストレスですが、

その間にテストに備えて猛勉強しなければなりません。

もうハゲる覚悟で頑張ります。



スペインでの大学受験は日本の受験戦争のような

そこまで緊迫感のあるものではないので、

高校とは別で塾に通っている生徒たちは少ないです。

日本の場合ほとんどの子が塾に通った経験がありますよね。

やはり受験戦争のあの独特な感じは日本や韓国の伝統文化かね・・

競争精神が豊かな人々の社会は競争に勝たないとやっていけないようにできてしまったんですね・・

そして、スペインで暮らしだしてなんとなく気づいてきたのが、

日本人って完璧主義者のような所があると、世界からしたら言えるんじゃないでしょうか。

きちんとしているというか、仕事熱心だしね。

アカデミアでよくみんなに

「ぶぅはすごい集中力ね!一度座ったら勉強し続けてるよ!止まらない!」

と言われましたが、その度に私は

お前はわざわざここまで来てクラス代払ってしゃべりに来てるのかよ?

って思ってましたけどね。

こんな発想がすごく日本人化もね。

でもそんなの人によるもんだから

何人がどうとかって決めれたもんじゃないから

どうだっていいんですけどね。

ただ普通のことしててビックリされてたから

ああ、じゃぁこれここではあまり普通じゃないんだねぇ

と、おもしろいと思っただけですわ。ほほ





話を戻して、塾の話。

受験は日本のように人生を思いっきり左右するものではないので

生徒たちもそこまで追いつめられてないです。

そもそも高校ですらも昼食前(2時頃)には終わって下校。

しかーし、少なからず塾に通っている生徒は存在し、

塾の数もけっこうあるし、通信とかもあるみたい。


私はネットのイエローページのような所等で手当たり次第に探し、

片っ端から電話をかけたりーのー、直接行ったりーのー。

電話ではよくわからないこともたくさんあるので

直接行ったほうが早いです。

ただ大変だったのが、

外国人も受け入れてくれる所を見つけること。

これはほんと見つかりませんでした。

マドリッドやバルセロナのようなでかい町ではたくさん見つかるでしょうが

私の住んでいるところでは難しい。

普通のクラスに入れてもらおうと思ったけど、

やっぱりテストのやり方が違うので入れてもらえませんでした。

そしてやっとこさ見つけた所は先生が2人だけの小さいところ。

この2人の先生が文型・理系にだいたい分かれてて、

部屋に10人位生徒を持ち、それぞれにその日勉強することを命じ、

そして順番に応対していくというもの。

なので間接に説明されたり、ものすごーく待たされたりと大変です。


私が通っていたところはFimenという名で、

今ではそこに通っていてほんとーによかったと思います。

そこで教えている女の先生に出会えたのはほんとに運が良かったです。

ジョランダというアルメリア出身の先生は

たまにアルメリアの訛りが出るんですけど、

その先生、とってもとっても

野生。


とにかく野生。

しゃべりっぷりも食べっぷりも全てが野生。

そして男よりも男勝り。

いつも自転車をぶっ飛ばして来て、2階にあるアカデミアまで担いで上がっていました。

道に置いてたらたまに盗まれちゃうからね。


しかしこの先生、ものすごい勢いで説明するんだけど、

それが分かりやすいし、なにより時間がなかった私にはもってこいでした。

このアカデミアを見つけた時点ですでに2月末。

ここからやっと本格的に勉強し出したわけです。

学科を決めたのも通いだしてから。

だってどの科目がやりやすいかとか、自分の行きたい学部に必要なのかとかが分からなかったから。


この先生にも

今からだと時間がないから、6月のテストは間に合わないかも・・

と最初から言われていました。

でもやるっきゃない!

受からないかもしれないけど、6月のに挑戦するぜ先生!

そしてやるからには受かりにいくぜ!


というわけで6月に間に合うように勉強の計画を立てたのです。





学科決めは逆に選べるものがあんまりないので楽でした。

先生の経験からくるアドバイスでスパっと決まりました。


スペインの大学入試の必須科目4つ

1、Comentario de texto
 (スペイン語のトピックを読み、指摘された単語を形態論的・指摘された一文を統語論的に解析、全体の書法の解析・構造の説明、全体の要約・自分の意見が含まれている論文)

2、第2言語
 (英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、中国語、、などの中から1つ選択)

3、スペイン史/哲学史 のどちらか1つ選択

4、入りたい学部と関係ある学科をリストの中から1つ選ぶ
    Análisis musical II
    Anatomía aplicada
    Biología
    Ciencias de la Tierra y medioambientales
    Dibujo artístico II
    Dibujo técnico II
    Diseño
    Economía de la empresa
    Electrotecnia
    Física
    Geografía
    Griego II
    Historia del arte
    Historia de la música y la danza
    Latín II
    Literatura universal
    Matemáticas II
    Matemáticas aplicadas a las C. Sociales II
    Química
    Técnicas de expresión gráfico-plástica
    Tecnología Industrial II



ちなみに私は2では英語、3ではスペイン史、4では世界文学を選びました。

先生が言うには世界文学は簡単らしいし

私の行きたい学部にも大きく関わるのですぐに決まりました。

「こいつは簡単だぜ!これにしな、な!」と。

これらの必須科目はテスト本番の1日目に行われます。

各テストは10点が満点で、これらの4つのテストの平均が必須科目全体の成績です。


2・3日目は何かと言うと、選択科目です。

そして別にやらなくてもいいです。

上にあるリストと同じものから最大4つまで選び受けることができます。

自身のある科目を好きな数だけ、やればやるほど点を加算することができるわけですが、

その分、勉強時間が分割されてしまうというわけです。

なので程よい数字を選びましょう。

点数は必須科目ほどなく、さらには一番成績のよかった2科目の点数が加算されます。

ちなみに私はこんな科目は習ってきたわけではないので選べたのは1つだけ・・

加算できたとしても微々たるもん。

経済を勧められたけれども日本ではやってなかったし・・

スペインでは高校の科目に哲学や経済があるのです。

私が高校でやったことと言えば古文、世界史、現代社会・・

まったく役に立たず!ふは!

世界史がないのには衝撃でした。これならいけたのに・・

テスト当日にたくさんの生徒が選んだのは経済でした。

その2番目に多かったのがDibujo artístico II、Dibujo técnico II

これは友達にも勧められたし、美術は得意なのでこれがよかったけど、

でも結局これからやり方を覚えて練習していくのは複雑。

アカデミアでも教えていなかったので、

経済の次におすすめされた地理にしました。

地理なら日本でならったことが共通して出ることもあるし、

日々の生活で発見することが出てくることもあるので勉強しやすい。

地理を選んでいた生徒もDibujoの次に多かったです。



女の先生にはComentario、英語、世界文学を、

男の先生にはスペイン史、地理を教えてもらって

毎日5時から9時半までアカデミアに缶詰で頑張ってました。

雨が降っても鼻水が出てても膀胱炎になってても

毎日毎日通いました。

なんたって月に170ユーロ払ってたんだから、元取らないと。




女の先生とは、英語は今までの積み重ねを思い出すのと、英語で作文を書く練習。

Comentarioは毎日コツコツと、半ば無理矢理な感じで押し切る。

この科目は好きだったので吸収も早かったのかも。

私が勉強したいスペイン文献学と直接関係のある言語・論文についての科目だから、

結局は興味のあることだったんですね。

しかも私は本はあんまり読まないが(爆弾発言)

そう、文献学を勉強する上で致命的、


わたしは本を読むのが苦手!!



言ってしまったわ。

本を読みたいし、今まで読んだ数少ない本の中には素晴らしく感銘を受けたものがあり、

文学とは奥深く、まさに美学であり、

読書とはそれにより多くの知識を得、数ある文章による美術作品を受け取る行為なのだが


わたしは読むのが恐ろしく遅い!!



尋常ではない遅さ!

なんなら頭の中で演劇でもやってるんじゃないかという、

いちいち「、」や「!」をじっくり読む遅さ!

文献学を学びたいのは言語を学びたいからです。

そしてそう、言語を学ぶ上で文学の介入は当たり前のこと。

この学部の半分は言語、もう半分は文学なのです。

いたしかたなし・・。

やりたいことだけできる学部など存在しない・・

言語のためならドン・キホーテにも耐えてみせるわチクショウ!



しかしこんな本を読まない私は小論文を書くのがとっても上手。ふはは

高校での討論のクラスではいつも98点とか取ってましたよ。

え?数学?0点取ったことありますよ。

このブログを見てる感じだと頭のおかしい支離滅裂な文章を書いているように見えますが、

本気にさせたらすごいんですよ奥さん。

起承転結させたらもう宇宙一なんですよー

見えませんねー

頭がおかしいのは確かですけど、小論文を書く上での一番大事な一貫性を表すのがそりゃもう上手。

実際は先生が好きそうなデタラメばっか書いてるんですけどね。

そうですよ、ただ単にずる賢いだけですよ。






女の先生とのもうひとつの科目、世界文学は先生の戦略で押す。

本来ならば

「El sí de las niñas」「La vida es sueño」「Niebla」「Público」...

などなど、たくさん読まなきゃいけなかったんです。

ひとつも読みませんでしたけど。


もはや一つずつ読んでしっかり理解してその上でテスト勉強するなんて時間はなかったんです。

そんなことしてたら本は理解できてもテストには打ち勝てません!

テストってのは戦略勝ちするもんですよ、ふははははは!!(最悪)

時間がないので、私がやったのはこの中で一番難しい本、

ガルシア・ロルカの「Públuco」をリストの中から消すこと・・(え

そう、テストはこの4つの中から選択問題だったんです。

問題1でAかBを選べて、問題2でもAかBを選ぶ・・

つまり、例えば問題1のAでロルカが出た場合、私はBを選び、

そのテストの問題2のAでロルカが出た場合、2でもBを選ぶわけです。

ね、こうすればロルカを完全に回避できるでしょ。

これは先生が考えた戦略。

まさに泥試合。それはわかってても時間を考えるとこうするしかない。

私はこれをゲリラ戦と呼ぶ。



そんなこんなでこの女の先生の各科目の戦略は大当たりで、

間に合わないと思っていた6月のテストで先生の全ての科目に受かることができたんです。

もうこの先生には感謝感謝感謝

感謝感激雨トルメンタ(古い)


一方、男の先生にみてもらっていたスペイン史と地理・・・

これといった戦略なく、

真っ向からぶつかり暗記してゆく・・・


惨敗。



見るも無残な落ち武者に・・



スペイン史のテストは、穴埋めだったらいけたかもしれない。

でもスペインで行われる歴史のテストって、

なんとなんと、論文っぽい形で行われる・・。

つまり日本史でいうところの、

「徳川綱吉についてその政策の特徴を述べなさい」

  えっと、お犬様がえっと・・えぇなんでだっけ、えぇっと・・

みたいな感じです。

それをスペイン史でされるのです。

「プリモ・デ・リベラのクーデターについて述べなさい」

知るかっつーの!なんか書けるけどでも常にあいまい!


そんなわけで恐ろしい点をたたき出したんですねぇ。

それはテスト編で紹介します。




テストは全部ここで例題が見れます。

http://portal.uned.es/portal/page?_pageid=93,792707,93_20535827&_dad=portal&_schema=PORTAL

私は全部印刷してアカデミアにも持って行き、できるだけやってました。

テストはまんまこんな風に出てきました。





さて、今日も寝るのが遅くなってしまった。

今日はセマナ・サンタの初日で、11時半まで道で行列を見てて頭が痛くなるし、

明日は昼前までには起きたかったので早く寝るつもりだったのに

気づいたら4時半ですわ。

もういっぺん死んだらいい・・

不健康。

体も動かした方がいいから市民プールに行こうと思ってたのに、

女の子の日ですわ。

あれ、女の子だったんだ。

ちょうどプール行こうとしてた日にわざわざ確認させられるわけ?

プールを血だらけにしてやろうか!ふはは!



は!閣下!

いつのまにそこに!





ふはは!このまま寝ずに朝日をむかえてやろうか!







こーんやもひとり いーけにえになる