日産事務系派遣を廃止へ
今日の毎日新聞は、一面で「日産自動車が事務系派遣を廃止」することを報じています。
日産自動車は、昨年5月、派遣期間の制限のない専門業務と偽って派遣社員を受け入れていたとして、東京労働局から是正指導を受けいていました。
また、2008年秋のリーマンショックで製造・事務あわせて数千人規模の派遣社員を解雇し、社会問題化していました。
是正指導を受けると、社内では、派遣社員への対応が厳しくなります。
日産のケースも同様で、今までは、派遣の正しい使い方などには無頓着だった現場に、人事などからコンプライアンスに即しているかどうかチェックが入ります。
そのため、現場は、過度に反応する傾向があります。
毎日新聞では、日産で使われていた「管理職向けの派遣社員対応マニュアル」を入手したとしています。ここには、派遣法に違反する行為が行われていた可能性をうかがわせる記述がされていたそうです。
派遣の現場でよく問題に上がる、事前面接などについても触れられていたようです。
法律というのは、難しいもので、事前面接ではなく、派遣労働者自らの意思で行う職場見学については、特定行為にあたらないとしていますが、その線引きは難しく、根本的な理解をさせないまま、マニュアルなどに、事前面接とは言わず、事前打ち合わせに統一するようになどと書かれていることがあります。
しかし、派遣法では、なぜ事前面接を禁止しているのか、丁寧に説明していくと、多くの派遣先の担当者の方々は、理解を示してくれます。
とにかく日産自動車では、今年10月から事務系派遣社員を段階的に直接雇用の契約社員に切り替えることにしています。現状派遣されている派遣労働者が、直接雇用に切り替わるかは、明確ではありません。
いずれにしても、日産の事例は、他の派遣先に影響を与える可能性は高いと考えた方がいいでしょう。
こうなる前に、もっと派遣社員の正しい活用方法について、派遣会社は派遣先に情報提供をしていかなければならなかったのです。
今からでも遅くはありません。派遣法の正しい解釈や派遣社員を使うメリットやデメリットについて、もっと情報提供をしていく努力をしてみてください。
当社でも、いろいろお手伝いしますよ!