2012シリーズ #22 『GOOD ENOUGH』 | すかいうぉーかー

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CRAZY=SPELL−BOUND



















ウッちゃんは上機嫌だった


状況から考えて、俺達2人が きちんとした腕とポテンシャルを持っている事がちゃんと分かったからだと言う



そういう意味で、タイムを観ていたアラブさんもYも楽しそうに笑っている




実際、俺が前に走った時も 予選からこんなタイムは出せていないし
明日の天候次第では このまま更に上のタイムまで







だが、右足の問題


今更どうにもならない
色んな意味で、サーキットを走ると言う事はこういう事なのだと




それは、だが
きちんとした問題であって

次の機会があるなら、そこへの課題と目標と考えるのが普通だ



仕方ない



俺は、それ以上考えるのを止め
2人を誘ってウイナーズサロンに向かった








「1杯やろうぜ」



今日はもうバイクには乗らない

思い出す
キーコやK達と、ここのテーブルをジョッキだらけにしたのを





3人で「とりあえずお疲れ」と、乾杯する

意見や情報の交換
走っている時の状況、感想、気持ち


話に花が咲く





ちょうど、窓の外では 500cc以下の「4耐」の決勝が始まったようだった

アラブさん達が、目をキラキラさせながら楽しそうに観戦している



先頭はZXRの400か?
RVFや、現行のCBR250もみえた



そっか、Yやターミにしても
こういうレースなら「出てみようかな」と思えるのかも知れない




自分で言うのもなんだが
みんなの反応や表情を見る限り

俺が走るレースを観ると言うのは
何かしらの魅力を感じさせているように思える



何かを意識している訳でも無いのだが
「こういうの良くねえ?」って気持ちは全開で出しているし
殺伐とした空気や、突っぱねるような懐の狭い自己満でレースをやっている奴等はいくらでも見てきた





結果や成績はもちろん 毒にもカンフル剤にもなる

だが、俺は昔から「レースやってる? だからなんだよ」的なのはあるし
それだけに傾注して「楽しく走る」ってのを忘れているようなのは嫌いだ





何でもそうだ


愛と笑いが無くて
その先に、どんなものが生み出せるのか









「真剣にやらなきゃ意味が」



ギスギスしなきゃ、真剣にやれないなら
それはアンタのキャパが狭いだけだろ










酔いが回り
ハイエースの荷台に横になる





バックステップのポジション

曲がらない膝

震災前の半分に減ったエントリー台数と
半数近くが40秒を切っている異常な状況






だが

落ち着いて考えてみれば
そんなにおかしな話しでも無い




予選の結果から決まった順位は、ケツから3番目で
それを聞いた時は、全く意味が分からなかった




だが
逆に言えば、あの時の俺達も こんなもんだったんじゃないだろうか
60台居れば、真ん中ぐらいなんじゃないか と




しかも、今は"何が出来ていないか"が 手に取るように分かる


コレを全て無くせたら、41~2秒が出せるのも







そして












「時間が全然足りないんだなぁ」






練習するという事


その意味





あれら全ての路面を、思う通りに走り切れたら どんなに気持ち良いだろう






















2時間程寝たところで起こされた



レース関係の物は、全てピットの中にしまって鍵をかけ

今夜の宿へ







みんなで順番に風呂に入り

みんなで食堂で夕飯を食べ

一番広い部屋で、まだ敷いていない布団の山に 思い思いに寝転がり



テーブルの上に、ビールの缶と ツマミと 袋菓子



今日の話

明日の話

来年の








みんな

本当に楽しそうに













先に辞去し

布団に潜り込み









夜半過ぎ
携帯が鳴る




「着きました!」

























(。・ω・)ノ


















役者は揃った(笑)



(続






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