west cabarret drive #9 | すかいうぉーかー

すかいうぉーかー

CRAZY=SPELL−BOUND







「パツキンさんは、もうパツキンじゃないんですね」



女の子が3年見ないと、こうも変わるもんだろうか

俺の坊主頭をシゲシゲと見る顔は、微妙に“女”の雰囲気を纏い始めていた






若様は遊ぼう遊ぼうとまとわりついて来る

LEGOブロックを使って、建築のなんたるかをみっちり叩き込んで行く



驚いたのは
すぐに吸収して、自分の物にして行くスピードだ

ちょっと目を離したスキに、エラくちゃんとした塔を作ってしまった




「お前・・・コレ作ったのか?」


「うん!」


4つのアウトリガのような脚で、下が浮かしてあったり
きちんと壊れにくいブロックの組み合わせにしてたり


男の子に教えるという事が、面白いと思ったのは初めてだ


コイツは、年の割には甘ったれな所があるが
光る物も持っている




なかなか将来が楽しみだ










そして












「ただいま~」







「久しぶりです」











って


誰ですかアナタ





もはや、熊でもなんでも無かった

異常にカッコイイ“オッサン”とでも言えばいいのか



雰囲気自体はそのままだが
体積が半分ぐらいになっているような




ダイエット話はあんまり興味無かったのだが、コレは凄い

意志の力の大きさ以外の何物でもない









そして、おそらくカミさんの食事管理が良い事になる



まあ、そこは不思議は無いのだが
“食”に関して、俺の知る限り いぶ姐ほど“美味しい物を作る事”と“食べさす事”が好きな人間は居ない


それはもう、料理が上手いとか イイ奥さんとか そういう次元じゃないのだ







でもね






デカい手と、ガッシリと握手をし
もはや、言葉は要らない















この日ばかりは



美味い料理に、美味い酒






宴は、遅くまで続いた





(続