「パツキンさんは、もうパツキンじゃないんですね」
女の子が3年見ないと、こうも変わるもんだろうか
俺の坊主頭をシゲシゲと見る顔は、微妙に“女”の雰囲気を纏い始めていた
若様は遊ぼう遊ぼうとまとわりついて来る
LEGOブロックを使って、建築のなんたるかをみっちり叩き込んで行く
驚いたのは
すぐに吸収して、自分の物にして行くスピードだ
ちょっと目を離したスキに、エラくちゃんとした塔を作ってしまった
「お前・・・コレ作ったのか?」
「うん!」
4つのアウトリガのような脚で、下が浮かしてあったり
きちんと壊れにくいブロックの組み合わせにしてたり
男の子に教えるという事が、面白いと思ったのは初めてだ
コイツは、年の割には甘ったれな所があるが
光る物も持っている
なかなか将来が楽しみだ
そして
「ただいま~」
「久しぶりです」
って
誰ですかアナタ
もはや、熊でもなんでも無かった
異常にカッコイイ“オッサン”とでも言えばいいのか
雰囲気自体はそのままだが
体積が半分ぐらいになっているような
ダイエット話はあんまり興味無かったのだが、コレは凄い
意志の力の大きさ以外の何物でもない
そして、おそらくカミさんの食事管理が良い事になる
まあ、そこは不思議は無いのだが
“食”に関して、俺の知る限り いぶ姐ほど“美味しい物を作る事”と“食べさす事”が好きな人間は居ない
それはもう、料理が上手いとか イイ奥さんとか そういう次元じゃないのだ
でもね
デカい手と、ガッシリと握手をし
もはや、言葉は要らない
この日ばかりは
美味い料理に、美味い酒
宴は、遅くまで続いた
(続