雲竜の松 (永安寺)




天気予報では
雨がパラつくかもしれない、という
岡崎にやってまいりました

遠路はるばる
新幹線を使って♪


「いっぺんこりん」がキャッチの岡崎に
今年になって3度目の来訪

三国志なら諸葛孔明が
臣下になってくれますよ

とりあえず
乙川沿いのツツジを愛でつつ
岡崎二十七曲がりの東端を目指します




岡崎二十七曲がりとは
こちらの田中吉政さんが設けた
城下のクランチ構造




27のカーブを城下につくり
敵の侵入を手こずらせようという
アイディアです

カーブがあれば
進軍してくる相手を死角から攻められます

相手も用心して
進軍スピードが遅くなるなどの効果も…

岡崎城のディフェンス力を
引き上げるために
田中吉政は意図的に曲がり角を設けました




田中吉政は知名度こそ高くありませんが
豊臣秀吉に取り立てられた
優秀な武将、行政官でした

徳川家康を三河から関東へと移したあと
秀吉によって岡崎を与えられています

家康が長年統治していた岡崎です

そうとうの信頼がなければ
任されないでしょう

秀吉は
将来、家康が関東から
京都・大阪に攻め上ることを想定し
東海道には信頼できる武将を置きました

岡崎・田中吉政や掛川・山内一豊などが
その例でした

田中吉政は岡崎城を改修して
秀吉の期待に多いに応えました

面白いのは秀吉が亡くなるや
田中や山内はあっさりと
家康にすりよりました

城をどれだけ堅固にしても
守るつもりがなければ意味はありません

家康は関ヶ原へと向かうとき
苦もなく東海道を進みました

東海道に配置された
豊臣恩顧の大名連中はバリアフリーでした

家康らは悠々と関ヶ原へ進み
石田三成を中心とする西軍を破りました

東軍に加わっていた田中吉政は
関ヶ原のあと逃亡していた石田三成を捕らえ
徳川家康へ差し出しています

石田三成への扱いは丁重なもので
田中吉政のひととなりとともに
豊臣秀吉に信頼された理由も
そうした性格や気づかいにあったのだろうと
考えさせられます

田中吉政の行政手腕は確かで
その後も累進を重ね
30万石を越える国持ち大名へと
出世しています

おそらく岡崎での統治の見事さが
徳川家にも伝わっていたのでしょう



私たち夫婦は
岡崎市と観光協会がつくった
まち歩きマップを見ながら
二十七曲りを踏破していきました

雨がふったり止んだりのなか
しなしなになっていく地図を片手に
角かどを探しました

い・ろ・は・に…と名づけられた角で
その文字を模して記念写真を撮りました

日本テレビの「スッキリ」の
「ス」の字のポーズの要領です

ちょっとしたスタンプラリーと
罰ゲームみたいで楽しかったです




27曲がりが終わるあたりに
八丁味噌の味噌蔵がならんでいます



カクキューのお味噌工場など


無料で見学できます


私は知らなかったのですが
宮崎あおいさんがヒロイン役をつとめた
朝ドラ「純情きらり」は岡崎が舞台になり
この八帖村でもロケをしたそうです


宮崎あおいさんの手形を
味噌蔵のあつまる通りで見つけました


ここもドラマで登場したみたいです




かつて東海道で最長と言われた
矢作橋を渡ると
こんな石像があります

「出会いの像」
少年日吉丸(豊臣秀吉)が貧しいころ
橋で寝ていたとき
通りかかった蜂須賀小六と知り合ったいう
言い伝えがモデルになっています

ただ
当時はまだ矢作川には橋はかかっていなかったそうで
後世、矢作橋が
最長の大橋となって
有名になってから作られたストーリーでした

架空の物語でも
こんなものができちゃうのが
天下びとパワー?




その後は西へ西へと歩きました

こういう風情のあるところもありましたが
普通の国道沿いを歩く時間が多く

単調な歩行が続いたので
パートナーのカミサンがいなかったら
キツかったかも…




緑鮮やかな苗を見かけました
今日はたしか「みどりの日」でしたね




永安寺の見事な松
ひとつのクロマツが枝分かれしています

高さ4.5m、根まわり3.9m、
枝張りは東西17m×南北24m…

物凄い存在感に圧倒されました

「雲竜の松」と呼ばれているそうです
(冒頭の写真はこの松のシルエットです)



雲龍が呼び込んだからかどうか
今日はずっとぐずついた天気で
小雨と曇り空のなかの歩きとなりました

道中何度か小雨に逢いましたが
顔に数滴の雨粒が当たる程度で
歩くのに大きな支障にはなりませんでした

ただ
雨対策でウォーキング専用ではない
スニーカーを履いていたせいか
疲労がすごかったので
知立宿のひとつ手前の名鉄・牛田駅で
今日のてくてく歩きは終わりにしました


牛田駅のベンチに腰かけたとたん
大粒の雨がふりはじめました

このなかを進むのはちょっと厳しかった

カミサンと
「僕らは持ってるねぇ…」と
空を見上げました


牛田駅から宿泊先の名古屋に向かうとき
隣駅の知立で乗り換えの際に撮影した一枚

ホーム屋根の境で雨の具合が分かるでしょうか?




疲労困憊したので
夕食は名古屋名物ひつまぶし(鰻)を
いただきました

頼むぞ、うなぎパワー!






スタート 東岡崎駅
ゴール 牛田駅(新安城駅と知立駅の中間)
29千歩
16キロ
この旅はじめて雨天のなか歩く












東海道歩き旅 記録と軌跡
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