『探偵伯爵と僕―His name is Earl』  森博嗣 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

読んだ小説&観た映画の感想中心のブログです。基本的には良い評価でのレビューを心がけています。レビューと言うか、ただの感想だったりしますがw 過去に読んだのもあり。自分の備忘録も兼ねてます♪貴方のオススメの映画や本があったら教えて♪漫画の紹介も始めました♪

探偵伯爵と僕―His name is Earl (講談社文庫)/森 博嗣
¥520
Amazon.co.jp



***この本は2009年9月に読了しました***

もう少しで夏休み。新太は公園で、真っ黒な服を着た不思議なおじさんと話をする。それが、ちょっと変わった探偵伯爵との出逢いだった。夏祭りの日、親友のハリィが行方不明になり、その数日後、また友達がさらわれた。新太にも忍び寄る犯人。残されたトランプの意味は?探偵伯爵と新太の追跡が始まる。
(Bookデータベースより)




「世の中、トリックだらけだよ」 伯爵は言った。
「たとえば、どんなトリックがある?」 僕はきく。

「そうだね。まず、子供たちに大人は偉いと見せかけている、これはなかなか大掛かりなトリックだ」





久しぶりの森博嗣氏の作品でした。相変わらずの森節、健在でした。
でもあんまり本作に関しては理系理系って感じはなかったので、著者が苦手な方も手にとってみてはいかがでしょうか。



物語は、馬場新太が夏休みに起こったことを日記としてワープロで綴っていく、というスタイルで始まる。
新太は夏休みに公園で遊んでいると、探偵伯爵と名乗る怪しげなおじさんと遭遇する。
夏なのに全身黒ずくめの服装で怪しげな探偵伯爵に興味津々の新太。
そんな新太の親友のハリィが夏祭りの夜、行方不明になり、その数日後、別の友達ガマもさらわれた。
犯人が次のターゲットとして狙うのは、新太だと言う、探偵伯爵。
探偵伯爵と新太、さらには探偵伯爵の秘書なる女性を加え、犯人の追跡が始まった・・・。



主人公がコドモという設定にしては、考え方が大人っぽすぎていたり、やけに殺人や死に対してドライだったりするのはちょっと違和感があったけど、それも著者の作品だと思うと、なぜか許せてしまう、と言うか納得してしまうのはなぜだろう。



ちなみに著者の作品は「すべてがFになる-THE PERFECT INSIDER」でハマリ、去年貪るようにして読み耽った覚えがあります。
「すべてがFになる・・」から始まるS&Mシリーズ、Vシリーズ、四季シリーズ、スカイクロラ、そして二人だけになった、その他短編集・・・、もう細部を覚えてないので、全てレビューをあげるつもりはありませんが、好きな作家さんの一人です。



本作もキャラが立っていて面白かったです。
そして作中、ところどころに犯罪者や人を裁くことに対しての著者の価値観(おそらく)が書いてあるので、なかなか興味深いものがありました。
コドモ自身が書いているという設定なので、小学生とかにも読んでもらって、その感想も聞いてみたいような作品ですね。
そういえば、夏の大冒険って趣きもあるので、夏休みの読書感想文なんかにも使えそうな作品です。
まぁもう今年はもう遅いですが(笑) でも夏に読むのがいいかな、やっぱり。



読了後は、本を閉じた瞬間、何秒間か目を瞑ってしまいました。
解説のアンガールズ田中に言わせると、グラデーションドロドロ(笑)な感じということになりますが。
それがまたなぜか許せてしまう、むしろ爽快にヤラレタとすら思える、自分にとっては著者はそんな不思議な作家さんです。



★★★★


読書INDEXはこちら



ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村