『片眼の猿―One-eyed-monkeys』  道尾秀介 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

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片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫 み 40-2)/道尾 秀介
¥540
Amazon.co.jp

***この本は2009年8月に読了しました***

盗聴専門の探偵、それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに、冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし、チームプレイで核心に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに、その渦中に巻き込まれていった。謎、そして・・・・・・。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリ。
(裏表紙あらすじより)


「どうして犬は人間の数万倍も鼻が利くのか、知ってるか?」

「犬はな、鼻が大きいんだ。犬ってのは、顔の半分が鼻なんだよ」





小説を読むときって、主人公はもちろんその他登場人物の描写が書いてあるときにそれを読み、自分の頭の中でこんなイメージかな、って思い浮かべますよね。
それが美化され過ぎてると映像化したときにがっかりしたり、その逆もまた然り。
漫画みたいに視覚で捉えられないので、頭の中でその登場人物たちを思い描く。
たぶん誰もが多かれ少なかれやってる作業だと思います。まぁ、そこが小説のいいところだったり。
そしてこの作品の映像化はまずムリでしょう。そういう類の作品ですね。



著者の作品はこの作品でお初でした。
文体的には読みやすく、ロ-ズ・フラットの住人達のキャラも良かったです。
が、トータルで見ると多少取っ付きづらかった部分もありました。
物語の内容的には、あまり起伏なく淡々と読み進めてしまった感じ。
住人達がみんな前向きで非常に好感が持てるのですが、その分なんだか妙に軽くてあっさりしてた気がして、扱ったテーマにしては心に残らなかったかな、と。
まぁそのおかげで重くなりそうな部分を重くなり過ぎず書けていたとは思います。



それでも読者の思い込みを巧みに利用したうまさ、先入観なく読んだので、半分くらいまんまとしてやられました。
ところどころ多少のこじ付け感は否めませんが・・・。
ただ、何と言うか・・・、やられた!と思わされた割には、なぜか物足りなかった感が残ってしまったのと、心にあまり残らなかった感じがしました。
最後に怒涛のように色々キテ、詰め込みすぎじゃね?って言うような気もするし。
えぇ、まぁでも結局はヤラれたんですけど(笑)



★★★



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