アーサー・C・クラーク No.3◇宇宙島へ行く少年◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

少年は願い叶って宇宙へ! そこで出会う人たちとの大冒険!

 
 
{395A11AA-EC38-4E72-9435-335B07352A2A}

 
◇宇宙島へ行く少年◇ -Island in the Sky-
アーサー・C・クラーク 山高昭 訳
 
 
司会のエルマー・シュミッツが、スポットライトをあびながら叫んだ。「それでは、優勝者をご紹介しましょう。ロイ・マルカムです!」興奮で体がしびれた。え、なぜかって?ぼくの名前だったからさ!それに、このワールド航空主催の航空クイズ番組に優勝したものは、世界中のどこへでも、ただで旅行させてもらえることになっていたからだ。もちろん、はじめから行き先は決めてあった。ぼくの行きたいところはただひとつ―地上500マイルに浮かぶ島、宇宙ステーションだった!大宇宙にあこがれる少年の夢と冒険を、巨匠クラークが生き生きと描きだした傑作宇宙SF!
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆      
 
 
ワールド航空会社主催の航空クイズに優勝したぼくことロイ。このクイズに優勝した人はただで好きなところで旅行できる。
 
 
ロイの行きたいところはただ1つーーー地球と宇宙を繋げる宇宙ステーション! 
 
 
ロイは健康診断と心理診断を受けてなんとか宇宙ステーションへやってきた。そこで出会う人たちと波瀾万丈の大冒険!
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆      
 
 
「宇宙島へ行く少年」です(・∀・)
 
 
クラーク3冊目に入りましたが、またも想像つかないほど遠い未来ではない話です。
 
 
確かに宇宙ステーションとか火星に住む人たちとか出ますが、重力、無重力には振り回されていますし、他の惑星のことで分からないことも多いです。初めて足を踏み入れる惑星の環境に振り回されている感じがアシモフには皆無だったので新鮮です。
 
 
今回は宇宙に憧れる少年が登場します。またもわたしたちに近いキャラクター像です。ロイくん。宇宙飛行士は憧れの職業ですし、宇宙に行ってみたいなぁと思うのは人間の共通する願望だと思うし。人類の願いがロイくんを通して叶えられています。
 
 
ロイくん、結構ハプニングに見舞われています。
楽しそうですけど! 好きなのは映画撮影班と関わるところと月の裏側を見るところです。最後の火星の少年との出逢いもいいし、重力ある環境に帰って最初にお風呂に浸かりたい! と思うのがツボでした←
 
 
この話、少年が主人公だし、ロケットとか科学の説明もあるし、これ、ジュヴナイルだったのかな? と思いましたが、その通りで昭和三十年の石泉社の「少年少女科学小説選集」という形で日本に紹介されました。
 
 
クラーク読むとSFを通して科学に対する夢と驚きを届けたかったんだなぁとつくづく思います。
現実の科学は死と破壊という負の面を悉く見せていますが、その原動力はこの発見が人類の発展と明日を作ると信じてる! だったと思うんです。ここでも書きましたが。今、私用で広島ですが、信じた果てがこれとは……と思うと複雑です。
 
 
とは言え、クラークは現実を見据えた上で科学がもたらす明日を信じていました。ロイは最後、宇宙の深淵を夢見ますが、その明日は暗くなく、ワクワクする冒険心に満ちています。
 
 
「宇宙島へ行く少年」でした(・∀・)/
次はエラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン、創刊号特集、最終号です(*^o^*)/~