エラリー・クイーン No.22◇生者と死者と◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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「靴の家」に殺人を告げるマザーグース歌が聞こえる。現実と幻想の合間に立つエラリー。

 
 
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◇生者と死者と◇ -The Quick and The Dead-
エラリー・クイーン 井上勇 訳
 
 
靴作りで巨億の財をなして《靴の家》に住む、老婆と六人の子供たち。この一家に時代錯誤な決闘騒ぎが勃発、エラリーらの策も虚しく、不可解な殺人劇へと発展する。”むかし、ばあさんおったとさ、靴のお家に住んでいた”─マザー・グースの童謡そのままに展開する異様な物語。狡猾な犯人の正体は? ナンセンスな着想と精妙な論理が輝く、風変わりな名作!(「生者と死者と」改題)
 
 
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エラリー、クイーン警視、ヴェリー部長刑事はひょんなことからポッツ製靴会社の専属弁護士パクストンと知り合った。
 
 
ポッツ製靴会社の作る靴は「アメリカの靴」と言われるほどで起業者のコーネリアも経営者としては敏腕。
 
 
しかし家庭面では円満とは言いがたく、最初の結婚で授かった3人は精神異常者、2度目の結婚で授かった3人はまとも。その間には不和があった。
 
 
最初の結婚で授かった長男サーロウは数々の侮辱に業を煮やし、14の拳銃を買い漁った上に今後は決闘を申し込むと言い渡した。最初のその相手はなんと異父弟のロバートだった。
 
 
その場に居合わせたエラリーとパクストン、そしてロバートの妹シーラは拳銃の弾を空砲に変えることにした。そうすれば死者は出ないはずだった。
 
 
しかし現実はサーロウの拳銃から実弾が飛び出し、ロバートが死ぬという最悪の結果に終わってしまった。エラリーは殺人者と計画者は違うと考え、調査を始める。しかしその頃には「靴の家」はマザーグースの死の歌に支配されておりーーー!?
 
 
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「生者と死者と」です(・∀・)
 
 
エラリー・クイーン至上初のマザーグース殺人事件です。
 
 
マザーグースが言及されることは今までもあったけどマザーグースに則って事件が起こるのはこれが初めてです。そしてこれが最後なんでしょうか?
 
 
推理小説はマザーグースに魅せられるものなのか推理小説にはたくさんのマザーグースが登場します。特に20世紀初めの本格黄金時代に多い気がします。
エラリー・クイーン(著者)が目標にしていたヴァン・ダインもマザーグース殺人事件を書きましたし、彼らも書きたかったのでしょう。きっと。
 
 
そんなわけで本書は戦争の気配どころか政治的情勢の気配もなく、マザーグースの怪しくも不思議な雰囲気が支配してます。いかれ帽子屋さんならぬいかれ靴屋さんが主人公です。
 
 
ーーーが、最後えええええええっ!!?
……いや、犯人じゃありません。やっ、犯人にも驚きだけど! エラリー、あんたもっと早く気づけばこんなことにならなかったのに!
 
 
それ以上に最後がえええええええっ!!?だよ!
最後……最後……こうでなければ理由があるの!? 
これならまだ「ハートの4」の方がマシだ!
そんなわけで今後のエラリー・クイーン作品に登場するとある人物が登場ーーーじゃないな、誕生しました(苦笑)ぎょえー。
 
 
この人が今後出てくるのか分かりませんが(いっぱいいるって話なので)、まぁ、出てきたら出てきたで生温い目で見守ろうと思います←
 
 
なんというか……最後の最後に全部持って行かれたようなorz せっかくマザーグースとエラリーの不思議な関係を楽しんでいたのに!
 
 
「生者と死者と」でした(・∀・)/←むりやり終わる
次回はギデオン・フェル博士でスポーツの秋です(嘘)(*^o^*)/~
 
 
 
 
おまけ↓
 
 
「エラリーさんが……エラリーさんが……どんどん、どんどん知らない人に……」
「うわ、エラリーがドンびかれてる。気の毒(苦笑)」
「エラリーさん……昔はあんなんじゃなかったのに」
「元気だしなよ、男はいつかああなるものだよ」
「わたしは絶対ああはなりませんから!」
「そんなに怒るなって! ほら、飲んだ飲んだ!」
 
 
……to be continued?