ネバーランド (集英社文庫)/恩田 陸
¥540
Amazon.co.jp


舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。


少年期を鮮やかに描いた作品。

たった4人で過ごす2週間の寮生活の中で、それぞれに自我を形成していくプロセスが瑞々しい。


とは言っても、物語はミステリアスでホラーにも似た展開で進んでいきます。


事情を抱える少年たちは、いわゆる普通の高校生とは違い、大人びた印象。

大人不在の2週間の寮生活の中、彼らは友人と密に向き合い、自分とも深く対話していくことに。

「告白ゲーム」と称された、内面の吐露。

秘密が明かされていくにつれ漂う、不穏な空気。

古びた寮の中の出来事は、時間から切り離されたような不思議な感覚です。


少年たちはみな、仮面をかぶって生活しています。

しかし、心の底では仮面を剥ぎ取りたい!剥ぎ取って欲しい!と望んでいるのです。


懐かしい青春時代を思い出し、甘酸っぱいような照れくさいような気持ちになる小説。

そして、大人としてすべきことを考えさせられる作品です。



ではまた♪




↓時間ごとにランクは変わりますが、たまにブロンズの王冠がついてる~嬉しい♪
ランキング参加しています。ご協力いただけると嬉しいです┏○ペコッ 
にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ 人気ブログランキング