オレンジの壺〈上〉 (講談社文庫)/宮本 輝
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オレンジの壺〈下〉 (講談社文庫)/宮本 輝
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不幸なことなど何もない、しかし決して幸福ではない佐和子・25歳。その彼女の生き方を変えたのは、残された祖父の日記帳だった。パリで暮らした祖父の本当の姿を捜し求めることで、大切な何かを追い求めていく彼女が見つけた答えは!?息づまる展開の中、普通の一人の女性の成長を描いた宮本文学の傑作。


「祖父の日記の謎」を探る旅というミステリアスな作品。


若き日の祖父が過ごしたパリでの8ヶ月。そこに一体何があったのか・・・。


通訳をしてくれる青年とともに祖父の影を追って渡欧した佐和子。

真実はどこにあるのか・・・。


ミステリー的展開を見せつつもラストはちょっぴり違います。

いわゆる「謎解き」のようなものはなく、少し歯痒い気持ちは残るものの読後は悪くない。

人生を考える旅で主人公が得たものこそが真実だったのではないでしょうか。


このラストこそが、この小説らしさであり、ここから物語が始まるような光がうっすらと射しています。


宮本さんらしい深さ。



ではまた♪




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